これがグランプリカップ酒だ!
カップ酒だけを対象にした世界初のコンクール「日本酒チャンピオンズカップ2005」が開催された。主催は株式会社酒文化研究所。カップ酒に注目が集まっているせいか、初回にもかかわらず110社から187点のエントリーがあったのだとか。これはすごい。

審査は一次審査と最終(=二次)審査の2段階。
一次審査は専門家による目隠しのティスティング。審査員のスコアの平均で得点上位のものが「ベストカップ賞」を受賞し、最終審査に進む。

続く最終(=二次)審査は、公募した一般審査員とマスコミ関係者の投票により、「デリシャス賞」「デザイン賞」「トラベル賞」の部門賞と「グランプリ」が決定される。
では審査の模様と主要な受賞商品をご報告しよう。


コンクール概要


●エントリー数:110社 187点 

●内訳 カテゴリー1/純米酒・吟醸酒部門 79点
カテゴリー2/本醸造酒・普通酒 108点

●一次審査
審査方法:専門家による目隠し官能審査。カップ容器のままきき酒。
審査員:委員長 戸塚昭(感性科学研究所主宰)
石川雄章(日本醸造協会副会長)
北本勝ひこ(東京大学教授)
君嶋哲至(横浜君嶋屋店主)
佐川浩昭(千葉県酒造組合技術顧問)
高橋利郎(日本洋酒輸入協会専務理事)
松崎晴雄(日本酒ジャーナリスト)
渡辺正平(山梨県酒造組合)*敬称略
日時:2005年10月12日~14日
会場:如水会館(東京)

●最終審査
審査方法:一般から公募した審査員とマスコミによる投票
審査員数:202名(男性102名 女性77名 不明5名)
日時:2005年11月6日
会場:外国特派員協会バンケットホール


以下は酒文化研究所、山田氏のリポートだ。まじめで熱い審査の様子が伝わってくるぞ。


ガチンコ勝負の一次審査



これがトラベル賞の二つ。小ぶりなところが勝因のよう。
最初に日本酒のプロが目隠しでティスティングした純粋な酒の公務評価の結果から見ていきましょう。

審査は、審査員どうしで評価が分かれたときにできる限り客観的な議論ができるように、また、出品したメーカーに数値化したデータがフィードバックできるようにとの考えから、詳細なプロファイル方式(酒の香味を細かく分析・記録する方法)で進めました。チェック項目が多いため、審査時間は審査酒一点につき三分前後かかりましたが、商品の優劣をつけようというのですから、これくらいの負担はやむをえないところでしょう。

出品酒は銘柄がわからないように銀テープを巻き、実際の飲用状況に近づけるために、カップから直接口に含んで審査していただきました。



デリシャス賞(カテゴリー1)の三つ。福井のお酒も入ってる~。
評価スコアは、「1.素晴らしい」「2.たいへんよい」「3.よい」「4.市販酒として適当」「5.やや問題あり」「6.問題あり」「7.不適」の7段階です。

審査基準は、商品の表記に従い「純米酒として」「山廃仕込みとして」「吟醸酒として」見た場合にどうかという観点でおこないました。早朝から14時までほとんど休憩を挟まず、味覚が変わることを避けるために昼食もとらずに進めた、まさにプロのティスターによるガチンコ勝負です。

結果はこちら(ベストカップ・グッドカップ一覧)のとおりです。
選考はスコアの上位のものから順に各カテゴリー30点前後を選び、最終日にあらためて再審査するかたちで進めました。再審査では、審査員がベストカップ賞(ゴールドメダル相当)として問題があると思うものをはずしていきます。香味の解釈や表示と酒質のズレ(酒としては優良だが山廃仕込みというにはらしさに欠ける等)で意見が分かれるものもあり、白熱した議論が繰り返されました。


デリシャス賞(カテゴリー2)の3つ。カップ酒で美味しいとはえらい!
その結果、カテゴリー1から21点、カテゴリー2から19点、合計40点がベストカップ賞に確定、惜しくも次点にとどまったものは「グッドカップ賞(シルバーメダル相当)」として、表彰することにしました。これらも市販のカップ酒としては十分に評価すべき秀作ばかりで、ベストカップ賞とはほんとうに紙一重であったからです。審査の順番、前後の審査酒のタイプなど条件が変わっていたら、ひょっとしたらベストカップ賞に選ばれていたかもしれないものたちです。

そして、この厳しい審査の結果最高点を獲得したものには、最終審査の3つの部門賞と並んで審査員賞を授与し表彰することにしました。受賞商品と成績上位のものはこちらのとおりです。



グランプリは「吟醸 ひとはなぐらす」



デザイン賞の3つ。手にとって見たくなるカップ酒たちだ。
そして、いよいよ最終審査です。
ここでは、香味のほかデザイン面など製品としての完成度を競います。中身がよいことと売れることは必ずしも一致しません。日本酒チャンピオンズカップ2005では、商品のネーミングやラベルやボトルのデザインまで含めた評価でグランプリを決めます。

一般から公募した審査員たち(一般消費者とマスコミ関係者)の投票の結果、グランプリは「吟醸 ひとはなぐらす(沢の鶴株式会社)」が、デザイン面での圧倒的な支持を獲得して受賞しました。



3賞受賞のみなさま。おめでとうございます。
「おいしい」という投票が多かったものに与えられるデリシャス賞は、カテゴリー1(純米酒・吟醸酒)で「福千歳 山廃純米大吟醸カップ(田嶋酒造株式会社)」と、カテゴリー2(本醸造酒・普通酒)で「奥の松辛口本醸造(奥の松酒造株式会社)」が受賞。

「デザインがよいもの」という投票の結果で与えられるデザイン賞は、カテゴリー1ではグランプリを受賞した「吟醸 ひとはなぐらす(沢の鶴株式会社)」が獲得。カテゴリー2からは「春鶯囀 糖類無添加カップ(株式会社萬屋酒造店)」が選ばれました。



受賞の蔵元様たち、今後も期待しておりま~す。
「旅先で電車やバスの中で飲みたいもの」という投票で選んだのは「トラベル賞」。カップ酒の携帯性や旅情イメージを誘うものを表彰しようという考えで設定した。この賞は背が低く安定したフォルムの「福千歳 山廃純米大吟醸カップ」「儀右ェ門 特別純米酒(愛知酒類卸協同組合)」と、アルミ缶に詰められた「榮川 特醸酒カップ」が受賞。偶然、両商品ともデリシャス賞の得票でも上位にはいっており、おいしくて車中で飲むのにピッタリということになりました。
なお、各部門の上位得票商品の一覧を掲載するので参照いただきたい。


以上が結果だ。さあ、みなさんも飲んでみたくなったでしょう。


→ベストカップ・グッドカップの発表は次のページで