【一本義久保本店は、明治35年の創業から数え、今年、100周年を迎えます。その間、「福井で最も愛される蔵」の地位を確立してきました・・・】のあいさつ文。
ふ~ん、確かに「一本義」という名は、小さい頃から、私たち福井県民には、聞きなれた、もっとも身近な蔵の名前であったよなあ。
百周年を迎えるにあたり【出会う蔵、話す蔵】をメインテーマに、数々の記念イベントを行う予定だという。
9月10月中には「一本義百年祭」と題されたお酒と美味しいもの満載の夕べが県内各所で行われるし、11月には1泊2日の「蔵での酒造り体験」(こちら9月初旬で申し込み定員満員という人気ぶり)。
おもしろいのは、「100万円の豪華おせちプレゼント」企画だ。とれたて旬の豪華食材を使ったおせちとこも樽を、【話す蔵】のテーマどおり、当選者のもとへ社長自らがお届けするのだという。ほっし~っ。
きっと越前ガニとか寒ブリとかウニとかが満載なんだよ。あ、でも100万だからな、とらふぐとか伊勢エビとか国産松茸とかベルーガ・キャビアとかはいってるかも~。ああ、たまら~ん。
おおっと、取り乱してしまいました。コホン、お酒のプロとしては、『一本義百年復刻酒』に注目しましょう。
このお酒、10月上旬より発売のため、まだ、その全容は未公開だけど、なんでも、創業当時の秘蔵「仕込み記録」をもとに、上質の山田錦を80%の磨きにおさえ、生モト造りで仕込んだ、米のみの純米酒・・・らしいのである。
レトロなラベルが印象的 |
80%の精米ということは、デンプン質がたくさん残ったお酒ということだから、アミノ酸の豊富な、厚みと旨みのあるぽってりした味わいになるのだろうし、生モト造りとなれば、酸と骨格のしっかりした肉厚の風味と想像する。
100年前であれば、精米技術など今のように発達していなかっただろうし、人工的に培養された乳酸菌もなかっただろうから、当時のお酒は、みな、そんなタイプだったにちがいない。
ちょっと前まで、日本酒といえば「端麗辛口水の如し」が大人気だったのが、ここしばらくで、旨みのある濃いタイプ、いわゆる「濃醇旨口」がずいぶん注目されるようになってきた。「昔ながらの」「本格」「本物」嗜好型消費者の影響だろうか。
ある意味、濃厚なお酒が注目されている今だけに、このタイミングで限定発売される『百年復刻酒』が、どんな風に飲み手を楽しませてくれるか、今から期待大ではある、が、うう~ん、やっぱり、100万円豪華おせちにも、惹かれちゃうな~。
(株)一本義久保本店『百周年係』