去る2000年10月1日(日)、「第一回世界きき酒師コンクール」が、お台場メデイアージュにて行われた。この日はあまり知られていないけれど、実は「日本酒の日」。その記念すべき日に日本酒のソムリエとも言える「きき酒師」の知識と技術とエンターテイメントを争う、ビッグイベントが開催されたわけだ。
会場には、日本酒愛好家、蔵元、業界関係者で大変な盛り上がり。
発足十年を迎える日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)主催のこのコンクールには、国内のきき酒士資格取得者はもちろん、アメリカ、ドイツ、中国、韓国からも第一次予選を通過した強豪20名が出場。筆記試験と論文中心の午前中の第二次予選を通過した6名が、午後行われる決勝公開審査へと進んだ。
選手は、会場に詰めかけた1000名あまりの観客を前にステージ上で、審査員扮するカップル客の注文(問題)を受ける。
「すっきりした味わいのビールとコクと旨味のあるビールを、それぞれに合ったグラスでいただけますか?」などと、日本酒以外の質問で始まったのにビックリ。
また、徳島の銘料亭「青柳」の料理メニューそれぞれに合う酒を選び、ひとつひとつの理由をのべるという問いも、ワインなどを交ぜてもOKという幅広さ。
さらに最後は、日本酒を使ったカクテルの実演。フルーツベースのおしゃれなものやお抹茶と熱燗を混ぜるなどユニークなものが登場。
6名中2名が女性で、着物姿でのサービスが実にあでやか。
最終試験に残ったニューヨークからの青い目&金髪のきき酒士も、世界大会らしい華やかな雰囲気をかもし出してくれた。
結果は、この青い眼のきき酒師が3位。大阪のアイリッシュ・パブマネージャー氏。そして栄えある世界一位は、東京西麻布「六香庵」ソムリエ田中浩之氏。田中さんは、テレビ朝日系バラエテイー番組「人気者で行こう」の芸能人格付けチェックで高級ワインとお手軽ワインを注いでるアノ人。そう、ご存知の方もあるでしょう?知識は豊富だけど、気さくでしゃれのきくきき酒師&ソムリエだ。
優勝の要因は、料理とお酒とマッチングのよさ。料理の味の濃さと吟醸、生酒、古酒と使い分けた点。さらには、多少返答に詰まっても、さわやかな笑顔で切り抜けたところ。サービスの原点は、知識の豊富さではなく、お客様に楽しんでいただくこと。ここらへん、いくらコンクールとはいえ、重要視されたところが、お客代表の私にとっても、うれしいところでありました。
オリジナルカクテルは、福山雅治さんのヒット曲にちなんだ「桜坂」。桜の塩漬けの浮かんだピンク色のカクテルでした。気になるあなた、世界チャンプのサービスで、日本酒やりに行きませんか?
六香庵 TEL 03-3404-6930
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