月に1~数回、園から配られる「おたより」。きちんと目を通していますか?園だより・クラスだよりは、園と保護者をつなぐ有効な手段です。どのように作られ、読まれているのでしょうか。
園だより・クラスだより 「全部読む」保護者は84パーセント
イラストの代わりに、子どもの作品を載せるのも楽しいですね。 |
しかし園によっては、園の様子をより詳しく伝えるために、「こんな活動をしました」「今、こんな遊びに夢中です」など、子どもたちの様子を紹介してくれる内容のものもあります。先生方のちょっとしたコラムや、おうちでできる手遊びの紹介など、先生方の努力が伝わってくるものも。
先頃出版された大豆生田啓友氏 監修 『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』では、そんな園だよりを保護者がどう読んでいるのかについてのアンケート結果が紹介されています。
※ 以下、斜線部分は同書引用部分です
●園便り・クラスだよりを読んでいますか?
・毎号きちんと全部読む……84パーセント
・興味のある号・興味のある箇所だけ読む……16パーセント
・ほとんど読まない……0パーセント
※ 『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』 中のデータより
「ほとんど読まない」が0パーセントと、保護者の側の興味も高いようです。
園だより・クラスだより 保護者はどう読んでいる?
『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』の保護者へのアンケートによれば、園だより・クラスだよりの内容で人気なのは、やはり「子どもの園での様子を伝える内容」です。園児世代では、子どもに「今日は園でどんなことをしたの?」と聞いてみても断片的にしか説明できません。保育園の0~2歳クラスならなおのこと、園での様子というのは保護者にとっては見えにくいものなのです。
また、「自分の子以外の子の様子が分かる」「子どもが園で歌う歌の歌詞が載っている」など、より園の様子が伝わる内容や、役に立つ情報が載っているものが喜ばれるようです。
園だより・クラスだよりを作る先生方のホンネは?
忙しい保育の勤務時間の中、定期的に園だより・クラスだよりを発行するのは、先生方にとっては大変なこと。『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』中での、「若い先生たちの「園だより作り」ホンネ座談会」では、そうした苦労がうかがえます。「スペースを埋めるのがたいへん。なので、普段から手帳に書き留めておくことにしている。」
「発行前に、園長のチェックを受ける。書き直しということもあり、たいへんだった。」
「子どもの実名を出すと親に喜ばれる。だけど、園の決まりで“実名はダメ”ということになっている。」
※ 『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』 中の座談会からガイドが一部書き直してご紹介しています
この「園だよりで、子どもの実名を出すかどうか」については、保護者アンケートの「不満」の部分でもご意見が寄せられていました。「園児の名前が実名で出ることもあるが、先生の目についた子のみで、載らない子のほうが多い。自分の子の名前がないと、残念な気持ちにはなります。」とのこと。
しかし、同書の「園だより・クラスだより改善のための12のヒント」の「提案5 実名で書くことにはメリットもある」には、「保護者の側に、自分の子を含めたクラス全体を、私たちも先生と一緒に見ていこう、という連帯感があれば、実名が出ることにも抵抗は少なくなるのではないでしょうか。」とあります。
様々な意見があるかと思いますが、ここで書かれているように、「実名のエピソードも園だよりをより楽しくするもののひとつ」だとガイド自身も考えます。
『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』
大豆生田啓友 監修 『つたえる&つたわる 園だより クラスだより』 赤ちゃんとママ社 2005年 |
後半では、具体的な園だよりの書き方についても豊富な実例とともに解説されています。付録にはコピーして使えるカット集もあり。幼稚園・保育園・小学校勤務の方に、ぜひおすすめです。
また、保護者の方にとっても、父母会新聞などの広報係の方には参考になるのではないでしょうか。園だより・クラスだよりの「読み手」としても、これらの背景を意識して、これからは注意して読みたいものですね。
■参考文献
大豆生田啓友氏 監修 『つたえる&つたわる 園だより・クラスだより』 赤ちゃんとママ社 2005年
■関連リンク
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『はじめて出会う 育児の百科』【幼稚園・保育園】
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