蒸し料理ブームにのり、近年巷を賑わせている鍋といえば、「タジン」。料理好きならば、方々からこの名を耳にしたかたも多いはず。タジンは古くからモロッコに伝わる伝統的な調理器具。水を加えず、素材の旨みを逃さずに調理できるこのミラクル鍋は、とんがり帽子のようなフタが特徴のひとつ。
機能性に長けているだけでなく、部屋にちょこんと飾っておけば、たちまち異空間を演出できる、そんな個性的な形も人気を後押ししているのだろう。かくいうワタシも、モロッコ産のものから日本の作家さんが作ったものまでをズラリと家に並べているのだが、タジン鍋は高低さがあるため、空間にメリハリができ、インテリアとしてもかなり重宝している。(タジンの詳細は
コチラをご覧ください。)
さて、そんなタジンが人気を博している今、各方面で面白い企画が開催されている。なかでも注目したいのは、斬新な作りと“生活とアートの融合”を意識した展開を図る、複合文化施設「スパイラル」でのイベントだ。
2010年3月29日(月)~4月11日(日)まで、1Fのスパイラルカフェにてモロッコテイストのタジン(タジン鍋を使った煮込み料理も“タジン”と呼びます)が販売される。
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レモンの酸味が心地よい「チキンシトロンタジン」。モロッコならではの味わいだ。監修は「ハッピータジンライフ!雑貨と旅と毎日のレシピ(グラフィック社)」他、多数タジン本を出版されている口尾麻美さん。
「一番わかりやすいタジンがよいかと思いまして。」と、今回はモロッコの代表的な2つのタジン「チキンシトロンタジン」と「ベルベルタジン」を口尾さんスタイルで提案する。
チキンシトロンタジンは、骨付き鶏肉とたっぷりの玉ねぎ、じゃがいも、グリーンオリーブをレモンとフレッシュなコリアンダー、スパイスで煮込んだもの。
優しい味わいのなかにもレモンの爽やかな香りとオリーブのコクがいきた、モロッコらしい料理である。
スパイスを加えるといっても、唐辛子系は加えないため、辛いものがニガテなかたでも大丈夫。素材の凝縮された旨みを思う存分に味わえる、食べ応えのある1品に仕上がっている。
レモン風味のタジンは私が大好きなモロッコ料理のひとつ。初めて口にして以来、その魅惑に富んだ旨みは私の舌にしっかりと記憶され、忘れられない味となりました。皆さんもぜひお試しを!