内モンゴル自治区の伝統的な朝ごはん

近代化の波がじわりじわりと押し寄せれば寄せるほど、悲しいかな、伝統あるものというのは薄れゆく傾向にありますよね。それは万国共通、食もしかり。内モンゴル自治区の中心都市フフホトでもそんな傾向が見られたのですが、そんな中、幸運にも伝統的な朝ごはんにたくさん出合うことができたのでご紹介します。

トヤ茶館
ミルクティーにチーズなどの具材がたっぷりはいった「鍋茶」(鍋のデザインも素敵!)、モンゴルの揚げ菓子、チーズ、粟をクリームで和えたもの、揚げ餃子などが所狭しと並ぶ。(これはかなり豪華な朝ごはん)


鍋茶
直径30cm以上はある鍋の中には、塩味のミルクティー、干し羊肉、チーズなどがたっぷり!
テーブルの中央にドドーンと置かれている鍋のなかには、スーテーツァイ(塩味のミルクティー)がたっぷり。そのなかには、干した羊肉、粟、ホロートなどのチーズが数種類。

この豪快な鍋の名は「鍋茶(モンゴル語でトールゥッツェ)」。(鍋のお茶、漢字にするとそのまんま。笑)

塩味のミルクティーは、モンゴル人にとっては切っても切り離せない重要な栄養源。これに、そのほか栄養のあるものを全部いれてしまえ!といって食べたのが始まり、かどうかはわからないが、本をただせばそんな感じだったのではないだろうか。

モンゴルでは食品を保存させるために、とにかくいろんなものを乾燥させるのだが、どれもそのままかじったら歯が折れそうなくらい硬ーいものばかり。だからそれらを食べやすくするために、こんなふうにミルクティーで煮込み、軟らかくすることも目的としているのだろう。

直径30cmはあろうかと思われる鍋に具材がいっぱい。となると、ご想像いただけるかと思うが、これがかなりのボリューム感。さらに時間が経つにつれて、チーズや粟がどんどんふやけてくるというのだから、食べても食べてもなくならない。大人数いないと、とうてい食べきれない料理である。

フフホトの都心部では、家族みんなで同じ鍋をつつき、ゆっくり朝ごはんを食べることが少なくなってきたのだろう、この鍋茶はいまや家庭ではあまり食べられなくなったとのこと。わたしがこの鍋に出合ったのも、家庭ではなくレストランだった。