クスクスに添えられる唐辛子ペースト

クスクス&ハリッサ
クスクスにはハリッサ(手前左)が添えられる。
レストランで初めてクスクスを食べたときのこと。
ドドーンとダイナミックに盛られたクスクスの横に、小さな器に入った赤いペーストがそっと添えられた。
「辛いペーストですので、お好みで加えて食べてください。」と店員のかたに言われ、置かれたクスクスの4分の1ほどは何もつけずに食し、残りはその赤いペーストを少しだけ加えてみることにした。

するとどうだろう。
優しい味わいであった癒し系のクスクスに、突然いたずら好きの小悪魔がスッとはいり込んだかのような、茶目っ気たっぷりの料理に変化したのだ。そしてひと口、またひと口と食べ進むごとに、最初はただ辛いだけかと思っていたペーストが、フルーティーで、なんとも爽やかな味わいまでもあわせもっているのだと感じられるようになったのである。むむ、この辛みはちょっと新しい・・・!
アジア地域の料理や南米料理、アラビアータなどのイタリア料理の辛みなどに慣れていたわたしにとって、このハリッサの辛みはとても新鮮な味わいだった。

オリーブオイルやスパイスが入っているから、香り高い!

ハリッサ
北アフリカ生まれの万能調味料「ハリッサ」
その後、そんな小悪魔的なハリッサが気になったので調べてみると、チュニジアをはじめ北アフリカのマグレブ諸国で食されている「ハリッサ(Harissa)」だと判明。

赤唐辛子をベースに、コリアンダー、クミン、キャラウェイなどのスパイスのほか、にんにく、オリーブオイル、人によってはドライトマトなどから作られ、マグレブ諸国、特にチュニジアでは日本の醤油や韓国のコチュジャンのように、万能調味料としてさまざまな料理に使われているのだという。

なるほど。数種類のスパイスやオリーブオイル、にんにくなどがはいっているのだから、それは香りがよいわけだ。と納得し、この日を機に、私は輸入食材を取り扱うスーパーで「ハリッサ」を購入して、さまざまな料理を使ってみたのだが、使ってみると、これがまぁなんと使い勝手がよいことか!スープに揚げ物にグリル料理にパンにと、なんでもござれの万能選手なのである。

とはいえ、ハリッサは北アフリカ生まれなのでしょう?きっとあまり洗練された味ではないのでは?!と思われたかたもいらっしゃるかと思うが、ちょっとお待ちを!
北アフリカは、地中海に面しイタリアやフランス、スペイン、アラブ諸国などのさまざまな食文化をとりいれ、しかもワインの生産も盛んな地域。このハリッサは、そんなさまざまな背景を反映したものであるかのように、複雑で洗練された旨みがある、実に魅惑的な調味料なのである。

たいてい週末の2日間は家でワインを飲むわたしも、ワインのおつまみを作るときには、このハリッサが欠かせない。料理に少し加えると、食欲が増すばかりではなく、料理にメリハリもつくので、とにかく使える調味料なのだ。

ということで、次のページでこの「ハリッサ」の活用術をご紹介したいと思う。