フレンチ/東京のレストラン

レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ(南青山)

フレンチを語る上では欠かすことのできないお店です。今まで食べて特に心に残っているもの&今年1月の「黒トリュフコレクション」の内容を1つ1つご紹介していきます。

執筆者:来栖 けい

ここに行けば間違いなし!

クリスタルプレート
センス抜群のクリスタルプレート。
もはや、フレンチを語る上では欠かせないお店です。外観や店内は個人店とは思えないほど高級感に溢れていて、とりわけテーブルに置かれた店名入りのクリスタルプレートにはひと際目を奪われます。あらゆる部分でセンスの良さを感じさせてくれますね。

メニューは、ランチが4,725円、7,350円、12,600円で、ディナーが15,750円、26,250円のコース。ただし、あらかじめ伝えておけば、ランチタイムに夜のコースをいただくこともできますし、26,250円以上のおまかせコースもオーダー可能。昼夜ともにア・ラ・カルトも充実しています。

ボクは、最初の数回はア・ラ・カルトで注文していたのですが、最近はすべてシェフにおまかせしています。ナリサワワールドを心ゆくまで堪能したいから。


BADOIT
ガス入りの高級ミネラルウォーター「BADOIT」。
すべての料理に共通していえるのは、食べた時のインパクトが非常に強いということ。決して塩が強い、ソースが濃い、というわけではありません。的確な火入れ、組み合わせによって引き出される素材そのものの旨みや香り。このインパクトが強いのです。しかも主役は主役、脇役は脇役、これが実にはっきりとしているので、ただバランスがいい、だけでは終わりません。何を食べたのか、つまりパッと振り返った時にそこで再会するのは、最高潮まで引き上げられた「主役の旨み&香り」。あくまでも主役の存在です。それでいてバランスが良く、上品で、洗練された味わいに仕上げられているのだから、スゴイとしかいいようがありませんね。男性的でもなく、女性的でもなく、両者の良いところを兼ね備えたメリハリのある味。すべてはここに、記憶に残る味の秘密が隠されている、というわけです。


ナリサワセレクション!

ボルディエバター
パンにつけるボルディエバター。手前から順に有塩、海藻入り、無塩。
まずは、これまでにいただいたものの中で、特に心に残っている一品を、「前菜」、「魚料理」、「肉料理」、「デセール」、1品ずつ選んでみることにします。


KING OF 前菜!

フランス・ソローニュ地方のリエーブルのテリーヌ、ロワイヤル風
これを超えるテリーヌはない! と言い切れる「フランス・ソローニュ地方のリエーブルのテリーヌ、ロワイヤル風」。
「前菜」は、何と言っても「フランス・ソローニュ地方のリエーブルのテリーヌ、ロワイヤル風」! フランス産の野うさぎを1羽まるごと(内臓も)使ったテリーヌなんですが、ピスタチオなどのナッツも入っていて、ヤバすぎるほどの旨さ! 「パテ、テリーヌ系」不動のNo.1ですね。


KING OF 魚料理!

フランス・ブルターニュ産、活オマール海老のロースト、~トマト・バニラ~
海老料理の最高峰「フランス・ブルターニュ産、活オマール海老のロースト、~トマト・バニラ~」。
「魚料理」は、「フランス・ブルターニュ産、活オマール海老のロースト、~トマト・バニラ~」。これまた不動の一品と言ってよいでしょうね。低温でじっくりと焼いたオマール海老が、ヴァニラの甘~い香りに包み込まれていて、口にした瞬間くらくらっときてしまうほど! 洋菓子でも、こんなに強いヴァニラ香は感じたことがありません。アロゼされたトマトの酸味、香りや、味雷から伝わるオマール自身の圧倒的な旨みとともに、かつて経験したことのない「海老料理の神髄」を魅せつけられる感じです。これに勝る海老料理はない! そう断言してしまってもいいですね。


KING OF 肉料理!

フランス産・ピレネー山脈のパロンブ(森鳩)のサルミ仕立て
タイミングがよくなければ食べられない「フランス産・ピレネー山脈のパロンブ(森鳩)のサルミ仕立て」。
「肉料理」はかなり迷うのですが、「フランス産・ピレネー山脈のパロンブ(森鳩)のサルミ仕立て」は衝撃的でしたね。緻密で力強い肉質、しっかりとした鉄分の味を感じるだけでなく、繊細な一面も。サルミソースは、ジビエのポタージュとしても飲めるほどで、忘れられないほど印象的でした。


KING OF デセール!

ショコラ‐ローズ・エキゾティク
大人の一皿「ショコラ‐ローズ・エキゾティク」。
そして「デセール」は、「ショコラ‐ローズ・エキゾティク」。焼きたてでサーブされるショコラのフォンダンは、見た目の美しさもさることながら、その構造、味わいに驚かされます。ナイフを入れるとストン、と落ちる。全く抵抗感がないんです。断面を見ても分かるとおり、外側と内側の違いがほとんどなく、全体が限りなくなめらか(外側の厚みは薄い紙1枚程度しかありません)。それでいて形をしっかりと保っているのです。口に含んだときの力強く持続性のあるカカオの風味、さらにはシャープな苦み。味わいにも品格が漂っていますね。でもそれで驚くのはまだ早いですよ。となりに添えられているアイスクリームと角切りバナナ入りのジュレ。この2つがショコラと斬新なマリアージュを魅せてくれるのです。アイスクリームは、口に含むといきなりバーッとローズの香りが襲ってきます。ジュレからは黒コショウやシナモン、さらにはアニス系の香りも。これらの刺激的な香りとショコラの組み合わせは、ホントに素晴しいですね。


次ページは、2007年1月27日の「黒トリュフセレクション」について。
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