タカザワ料理の幕開けです!
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すいかとともにいただく「ソルティードッグ!」。白魚にはビックリです! |
1品目の「ソルティードッグ!」は、いきなりの先制パンチ! 中に元気な白魚が泳いでいるんです。これを口の中に一気に流し込むと、オリーブの適度な塩気と相まって、踊る白魚と抜群の相性! 幼い頃、近くの湖で、白魚をすくってそのまま食べた時の映像が、頭の中に浮かんできました。懐かしいなぁ。口に入れるとビックリするから「!(ビックリマーク)」がついているんですね。
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香りと舌触りが素晴らしい「生フォアグラ」。 |
2品目の「生フォアグラ」は、岡山県産のプーレ・ノワール(地鶏)の白レバーを、鮮やかな辛み、香りを放つ葉わさび&淡く上品な白醤油と合わせた一品です。下に敷かれたくわの実の香りも程よくうつり、艶かしい口当たりを感じながら、濃厚なコクをしみじみと感じることができます。葉わさびがあるので、後口はスッキリですね。
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熱々が特においしい「のれそれ」。 |
続く「のれそれ」は、スペイン料理の「うなぎの稚魚のにんにくオイル炒め」の応用。あなごの稚魚「のれそれ」を使っています。熱々のオイル&にんにくの風味を纏ったのれそれを、トーストと一緒に食べると最高です。
おかわり必至の自家製パン&リエット!
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パンがおいしいとうれしいですね。奥が「あぐ~豚のリエット」。 |
また、この料理が出てくると同時に、自家製のパンが供されるのですが、このパンが実に美味! レストランでこんなにパンがおいしいと思ったことはありません! 北海道十勝産小麦を使ったものと、埼玉県産の小麦を使ったもの、2種類出てくるので、味の違いを楽しむこともできます。しかもそれだけではなく、ともに供される「あぐ~豚のリエット」が、これまた衝撃的なおいしさ! 訪れた全員、手が止まらないのなんの。今思い出すだけでも興奮してきますね。
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蝦夷鹿から作られた「自家製生ハム」。 |
「自家製生ハム」は、豚肉ではなく、14ヶ月前に仕込んだという蝦夷鹿の肉を使っています。これを初春には欠かせない新筍に巻いてあるのですが、口の中で程よい野性味の蝦夷鹿と、爽やかな新筍が、実に見事な出逢いを果たします。この冬から春へのバトンタッチは、非常に印象深いものですね。
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葱の代わりにホワイトアスパラを使った「ねぎ間?」。 |
「ねぎ間?」は、パッと見ると通常の焼き鳥の「ねぎま」なのですが、よ~く見ると、葱の代わりにホワイトアスパラが使われています。肉はプーレ・ノワール。これを3億8,000万年前の塩(紫色)につけていただきます。塩から漂う硫黄のような香りが、心地よく鼻腔をくすぐり、溢れ出る肉汁&ホワイトアスパラから滴るエキスとともに、そのおいしさを主張します。
見た目はデザートですが…
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「偽デザート」。「偽プディング」と「偽ブランマンジェ」です(4人分)。 |
そして続く「偽デザート」は、見た目は「プディング」、「ブランマンジェ」、「シュー・ア・ラ・クレーム」そのもの。しかし、口に含むと、どれも全然甘くありません。完全に料理です。「プディング」は、紫にんじん&とうもろこしで、「ブランマンジェ」は、ビーツ&菊芋でできています。
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このおいしさには感動! 「偽シュー・ア・ラ・クレーム」。 |
「シュー・ア・ラ・クレーム」は、中にインカポテトで作ったクレーム・パティシエールとヒグマのミートソースが入っていて、「料理」としての完成度が実に高い。見た目の楽しさや美しさだけで、おいしさが伴っていない料理が多い中、これは「さすが!」の一言です!
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山形牛と伏見唐辛子を合わせた「とうがらし」。 |
「とうがらし」は、山形牛の胸から肩にかけての肉を、鮮やかなロゼ色に焼いたもの。これを伏見唐辛子とともにいただくんですが、何も知らずに両者を口に含むと、伏見唐辛子の中から酸味の効いたソースが出てきます。この酸味が、肉の旨みをぐっと引き上げてくれるんですね。唐辛子の持つ辛みも、その手助けをしてくれています。
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香りがたまらない「天然シマアジ」。 |
「天然シマアジ」は、その名の通り希少価値の高い天然のシマアジを使った一品です(市場に出回るシマアジの98%は養殖です)。濃厚な味、香りの野生ルッコラの花と、程よい香ばしさを放つグリーンナッツシードオイルが、シマアジのひと味違ったおいしさを引き出してくれていますね。
もっと食べたい!
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ホントにもっと食べたかった「ライスバーガー」。 |
「ライスバーガー」は、バンズ代わりとなったパエリアで、富山県産のホタルイカとサフラン風味のソースを挟み込んだ一品。ふたくちで食べられてしまうほどの大きさですが、パエリアのもちっとした食感と、ホタルイカのしっかりとした弾力性が、小さいながらもその存在感をアピールしています。「もっと食べたい」! と思ってしまいますが、シェフはその想いも計算に入れた上でコースを組み立てているのでしょう。食べていて、そのことがわかってしまうから悔しいです。
ここでコースのちょうど半分が終了です。考えてみれば、前半の最後がちょっとしたごはんもの。これもシェフの計算なのでしょうか?続く後半最初の料理「ミネストローネ?」は、コースの最初の頃に登場してもおかしくない「スープ」ですしね。
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