2つのブルターニュ名物を使った「二人のブルトン 帆立貝と蕎麦の実」。 |
調理法が違えば、玉葱の産地も違う!
3種の調理法で、様々な玉葱の魅力を伝える「新玉葱のグリエ、新玉葱のフォンデュ、小玉葱」。 |
グリエに使われている新玉葱は静岡県産。表面が真っ黒になるまでじっくりと火を通しているので、とてもみずみずしく、甘みがぐっと際立ちます。フォンデュ(ピュレ)用の新玉葱は京都府産。とてもサラリとしていて、やさしい甘みが漂います。そして、コンフィされた小玉葱は千葉県産です。酸味と、それによって感じられるキュッとした甘みが秀逸ですね。
それぞれの調理法に最も適した玉葱を使って、玉葱1つでもこんなに違った表情をつくり出すことができるんだよ、ということを実感させられます。グリエした新玉葱には、サワークリームも非常によく合います。
虹色に輝く鱸(スズキ)!
虹色の断面に驚愕! 「“熟成させた村公一さんの鱸”を螺鈿のように光る火加減で」。 |
6日間熟成させているということで、旨みもじんわりと広がっていきます。さらには、フルーツトマトやフレッシュヴェルヴェーヌから作られるソースが、鱸の香りとピタリと噛み合います。ヴェルヴェーヌとこんなに相性がいいなんて…。これにはアッパレです!
日本料理顔負けの「鼈のスープ」。 |
言ってみれば、スッポンの身やエンペラを粗めのミンチ状にし、そこに黄金色のスープを張っただけのシンプルな料理なのですが、日本料理のお椀に勝るとも劣らない圧倒的な吸い地(ダシ)の旨さ! フレンチという枠からは決してはみ出すことなく(日本料理の優れた部分だけを取り入れて)、見事な和仏の融合を果たしていますね。スッポンも、ここまでおいしく調理されれば本望でしょう。
見事すぎるキュイソン(火入れ)!
野菜(つけあわせ)のおいしさも無視できない「仔鳩のローストとモレ」。 |
仔鳩は山形県産。まずは、鮮やかなロゼ色の断面を見た時点で、そのおいしさが伝わってきますね。口に含むと、芯のある旨み、血の香り、艶かしさ、ともに圧倒的で、ツケ入る隙は全くありません! 焼き茄子ピュレのみずみずしい香気と、ショコラソースのビターな香ばしさも、仔鳩の持ち味をぐぐっと引き上げてくれています。特に焼き茄子のピュレは、肉に潤いを与えてくれる感もありますね。国産の仔鳩で、ここまで素晴らしいと思ったのははじめてです。
また忘れてならないのが、つけあわせのヤングコーンです! 自分で皮を剥いて食べるのですが、皮を剥くほどに何ともいえないフレッシュな香りが弾けるのです! そのおいしさは言うまでもありませんね。これぞ大地の恵み! もぎたてをそのまま食べているかのような、そんな錯覚に陥ります。まさに感無量ですね。
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