御料理　貴船（金沢）(4ページ目)

・鱒の山菜鍋

五臓六腑に染み渡る旨さ。

さらに「鍋物」！　グツグツと煮える鍋の中には、「鱒」「筍」「玉葱」、それに「山椒」が盛り込まれており、供された瞬間から食欲を掻き立てる香りが拡がってきます。

鱒は、焼きで食べる機会が多いですが、これは鍋の具にて登場。なるほど、鍋にすると脂の乗った鱒の旨味を一切も逃さずに味わえる、というわけですね。「鱒」を鍋でいただくのは、これが初めてでしたが、食べて納得。出汁に鱒の旨味エキス、筍の風味、玉葱の甘味、山椒のスパイシーさが混じり合い、具を食べ終わった後も、出汁を飲む手が止まらない！　鍋物は好物ですが、出汁を最後の一滴まで飲み干したのはホント久しぶり。これは料理長の狙い通りというか、まさに傑作でしょう。


・稚鮎の天麩羅　甘酢餡かけ

ほくほくの身質。

続いて出てきたのは、稚鮎の天麩羅。丁寧に火入れされているのが伝わってくる揚げ方で、鮎本来の真味を損ねることなく、骨までしっかり火が入っているのです。鮎の魅力でもある苦味もしっかりと残ってあり、程よい甘さに抑えられた「餡かけ」とも相性良し。

添えられた「焼きホワイトアスパラ」も瑞々しく柔らかです。


・活穴子の炙り

まるで「鱧」のよう。

次の皿は、「活穴子」の炙り！　細かい包丁目で、一見すると「鱧」のようなルックス。ご主人のテクニックの魅せどころですね。梅肉醤油も風味を一層引き立てます。