青森ホタテ ニョッキパルメジャーノ モリーユ茸 |
それはニョッキ。これがとりわけ特筆物で、このニョッキは原材料の95%~96%がジャガイモで構築されており、小麦粉はほんの少し、繋ぎ程度に入れてあるだけ! しかも、ジャガイモはグルタミン酸を逃さぬように、水には漬け込まずに、塩で固めてオーブン焼きしてあるという念入りで丁寧な下準備。そこから生まれるニョッキは、もちもちネットリとした独特なテクスチャで、噛みしめるのが心地良いまでに快感なのです。
・Anago a la Bordeaulaise
対馬列島アナゴ ソースボルドレーズ |
また、合わせるソースも秀逸。レモンの酸味とワイン(ボルドレーズ)を合わせることで、初夏らしい甘味と酸味を絡めた軽やかなテイストを生み出し、これが記憶に残るほど穴子の持ち味を引き立たせるのです。
・Vol au Vent d'osaka
丹波鶏クネル 北海道シマ海老 アスパラ シャンピニオンパリ チンゲン菜 |
一見すると、「ヴォル・オ・ヴァン」がフイユテごとバラバラに分解されているようですが、実際に食べてみると不思議に統一感があり、味わいの調和がとれた特筆物の仕上がりになっています。
これに合わせるソースも、実に軽やかに仕上げてあり、鶏にも海老にも違和感なく馴染むような相性抜群の汎用性。パリの三ツ星「ル・ムーリス」でソース部門のトップを務められていた実力とセンスは、やはりさすがの域ですね。
羽のように舞うフイユテ、柔らかく弾力のある丹波鶏のクネル、フレッシュなシマ海老、それらどれもがソースと共にエレガントな余韻を残す、実に見事なハイクオリティ。クラシックからモダンに進化させた極みの逸品と呼べるでしょう。エクセラン!
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