大阪グルメ/大阪のフレンチ

ア・ラ・ルーシュ(4ページ目)

我孫子にオープンした新レストラン「ア・ラ・ルーシュ」。素材を活かした優しく繊細な料理は特筆物! 今、大阪でもっとも注目すべきレストランといえるでしょう。

執筆者:麻生 玲央

・スープ料理
カボチャのスープ お肌ツルツル 牛筋のラヴィオリと共に。
カボチャのスープ お肌ツルツル 牛筋のラヴィオリと共に
ここでメインの前に用意されたスープ料理が登場。このスープ料理も、一見すると一般的なスープ料理のようですが、スープの中には大きなラヴィオリが潜んでいて、そのラヴィオリの中には、なんと甘く煮込まれた「牛スジ」が入っているのです! また、添えられたグリッシーニは、スプーンで砕いてスープの具にすると、これまたスープにピッタリな食感のアクセントに。スープとしても、ラヴィオリとしても、一皿で二度愉しめる内容となっているのです。

しかも、このスープも驚くことに南瓜と水だけを使って作られた濃厚仕立てとなっており、牛スジの柔らかく、旨味のある味わいが、南瓜の甘味と合わさり、舌の上でお互いを引き立て合う多重奏のような拡がりを魅せるのです。


・メイン料理
滋賀県蔵尾ファームから届いた蔵尾豚肩ロースのロティとそのスペアリブの煮込み。
滋賀県蔵尾ファームから届いた蔵尾豚肩ロースのロティとそのスペアリブの煮込み
そして、シェフ渾身のメイン料理がこちら。滋賀の蔵尾ファームで、バウムクーヘンを食べて育てられたという「蔵尾豚」を、肩ロースのロティとスペアリブの2種類の調理法で仕上げた一皿です。これは先程のスープ料理や、別コースで食した魚のメイン料理も同じく、一皿で一つの食材を2種類の調理法を施す、というシェフならではの料理スタイル。

一皿の上で2種類の調理というだけでも、それだけ手間暇がかかってしまうことになりますし、シェフにかかる負担も倍増するとは思うのですが、食べ手(お客様)に美味しく喜んでもらうためにも、シェフは敢えて、このスタイルで料理を作られているのでしょうね。ホント、シェフの決して手を抜かない・妥協しない丁寧な仕事ぶりには頭が下がる思いです。

さて、その蔵尾豚を使ったメイン料理ですが、ここで使われている「蔵尾豚」は、まるで牛肉のような旨味と、ジューシーな肉質、そして驚くほどに軽やかな食後感で、一般的なブランド豚とは別格のような味わいが印象に残る逸品。

この「蔵尾豚」を一皿の上で、「ロティ」と「スペアリブ」の2種類の調理法で提供され、それぞれの部位(調理法の違い)による味わいの違いを存分に愉しめる内容となっているのですが、ロティのほうは、とりわれ脂身から放たれるジューシーな旨味分子と、上品な柔らかさが特筆物で、シェフの丁寧な火入れテクニックが光る、食べ応えも満点の一皿でした。

また、スペアリブのほうは、トマト・シブレット・レモン・豚のコンソメで煮込まれてあり、角煮のようなトロットロンの柔らかさ! しっかりと染み込んだ味付けも秀逸で、ロティにも負けない美味しい存在感は、私が食べてきたスペアリブの中では間違いなくナンバーワンに値するクオリティ。ロティと合わせて、2009年度最高の豚肉料理でした。

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