料理と醸造酒のマリアージュが愉しめる一軒

kamoshiya Kusumoto
これが外観。モダンな一軒家風です。
福島にある醸造酒バー「kamoshiya Kusumoto」。福島西通の面したサンクスの横手にある路地にあり、お店には大袈裟な看板はなく、シャンパーニュのマグナムボトルがズラリと並ぶ外階段を見つけたら、それが目印。見上げると暗闇にポッと浮かぶ一軒家の階段を上っていくと、その途中の壁に、「kamoshiya Kusumoto」の文字があります。

kamoshiya Kusumoto
シックで落ち着いた店内。
期待と不安に胸を膨らませてエントランスのある2階まで上ると、ドアに到着。そして、そのドアを開け、今度は階段を降りると壁も天井も黒一色。ほのかな照明に照らされて2階まで吹き抜けになった店内では眼下に幅広いブビンガのカウンターが伸びています。そう、つまり「階段を一度上がってからまた降りる」という仕掛けが、地下にある高級秘密クラブに潜入してしまったかのようなサプライズを与えてくれるのです。

2階部分の吹き抜けではない半分は、全スペースがなんと空調・湿度管理万全の酒貯蔵庫(あえてワインセラーとは言いません)。ご主人楠本さんが選び抜かれた1,500本の醸造酒が、ここで心地よく眠りながらハレの出番を待っているというわけです。

醸造酒のみというコダワリ

kamoshiya Kusumoto
一皿ごとに数種類の日本酒が用意され、ここから好きな銘柄を選ぶことになる。
kamoshiya Kusumoto」で扱っている酒は日本酒やワインなど醸造酒のみ。もちろん、醸造酒にこだわられるのは、料理にマリアージュさせるには醸造酒が一番という考えゆえ。私も料理には醸造酒派ですので、こういう料理とお酒の相性にこだわりを持たれているお店は嬉しくなりますね。

でも、この店の白眉はなんといっても 「料理と酒のマリアージュ」を徹底されていることでしょう。 一皿ごとに料理に合った日本酒やワインをグラス単位で数種類ほど提示し、そこから好きな酒を選ぶというシステムなのです。

和の料理には日本酒、洋の料理にはワイン、というだけではなく、その料理とマリアージュする範囲の酒からグラス単位で選べるので、「お酒=食中酒」と考える私のような人間にはまさに理想的なシステムといえます。

ハイクオリティな料理の数々

黒豚。
メインで供される六白黒豚は40分かけてじっくりと焼かれるスペシャリテ。
料理に関しては現在の大阪、いや関西では間違いなくトップクラスの創作系料理の数々で、大阪の「Fujiya1935」や東京の「カンテサンス」、「アロニアドタカザワ」辺りが好きな方なれば、大喜び間違いなしの極上料理が堪能できます。素材選びから盛り付け、ズビシッと決まった美味しさ、酒の合わせ方、それら全てに惚れぼれとしてしまうほど。関西でこれだけの料理が味わえる店は数少ないですし、シェフは本当に素晴らしい審美眼と実力をお持ちの方だと思います。

尚、現在はシェフである楠本さんと奥様、それにパリにある「アストランス」で「カンテサンス」の岸田シェフと同期で働かれていたというシェフの三人で経営されています。
次ページでは、極上の創作料理達を御紹介します