神戸グルメ/神戸・兵庫の和食

懐石料理 三木(4ページ目)

神戸トアロードにある和の名店「懐石料理 三木」。コストパフォーマンスの高いコースの全貌を御紹介します。とりわけ、彩り鮮やかな八寸は必見です。

執筆者:麻生 玲央

・焼物
焼物。
焼物
そして、今回のコースでもっとも感激したのが、焼物として登場した「秋刀魚と茸の酒盗焼き」! 土鍋仕立てですが、「鍋物」ではなく「焼物」という趣向で、言わば「和風ココット」といった感じですね。

今が旬の秋刀魚と、茸(キノコ)、それに酒盗の風味が、蓋を開けると拡がってくるほどの薫り高さで、この薫りだけでも垂涎物! ちなみに、酒盗とは鰹の腸の塩辛のこと。これを切れ目を入れた秋刀魚に、約30分ほど漬け込み、それから表面(皮目)を炙る。茸はソテーし、それらを一緒に土鍋で蒸し焼きにした料理とのこと。

秋刀魚の質の高さはもちろん、茸だけでも茸は「舞茸」「椎茸」「しめじ」「エリンギ」と4種類も入っており、これらが酒盗の風味と合わさり、日本酒が止まらない味わい! しかも、添えられた「ちり酢」は織部の取り皿、というセンスの良さ。私が食べてきた限り、秋刀魚を使った料理の中では、間違いなく最高傑作です。一般的な料理記事で「逸品」という言葉が気安く使われていますが、こういう傑作料理にこそ使うべき言葉でしょう。まさに「逸品」という言葉に相応しい出来映え。


・焚き合わせ
焚き合わせ。
焚き合わせ
御飯前の焚き合わせは、「煮穴子と冬瓜の蓮根蒸し」。ここでも菊花がふんだんに使われていて、縁起が良さそうな一皿になっていますね。蓮根蒸しもそうですが、煮穴子のとろふわ加減が秀逸で、冬瓜と絡めて食べると完成度の高さが伺えます。ここまで調和のとれた手の込んだ焚き合わせはホント久しぶりですし、まさに旬の恵を存分に堪能できる味わいでした。

次ページでは、選べる飯物や水菓子を御紹介します
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