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カ・セント(スペイン料理 カセント)(4ページ目)

新スペイン料理(ヌエヴァ・コシーナ)の多種多様性の一端を、日本にいながらにして味わえるレスタウランテ 「カ・セント(Ca sento)」。食べ進める毎に素材の良さを実感できる素晴らしい料理達を御紹介します。

執筆者:麻生 玲央

日本酒との至福のマリアージュ


・entrantes
フォアグラのソテー。
フォアグラのソテー
3皿目の前菜は、「フォアグラのソテー」。合わせるソースは「シェリーソース」で、添えられているのは「白人参のムース&葉っぱ」と「黒オリーブの粉末」。ここで使われている白人参もギャリさんの野菜です。雑味のない繊細な味わいで、添え物というよりも、主役級の存在感を放っているのが印象的でしたね。シェフ曰く「素材を活かすというよりも、素材に活かされたい」という言葉通り、添え物であるムースがフォアグラと同様の存在感を持つところに、シェフの哲学を強く実感させてくれます。

しかも、同じく添えられた黒オリーブの粉末は、オリーブと魚骨を粉砕・乾燥させたもので、こんな細かなところまで驚くほどに手間暇がかかっているのはさすがの一言。そして、この粉末がフォアグラの味わいに、さらなるコクと香味を加味するのですから、シェフの卓越したセンスには脱帽ものです。

しかし本当に感激したのはこれから。濃厚なシェリーソースで際立てられたフォアグラは、深みのある旨味を引き出されていていながら、とても軽やかな食後感なのです。フォアグラをソテーで食べる場合、普通は重さを感じるものですが、シェリーソースがありながらも、ここまで食べやすいのはホント久しぶり。こんな食後感の良いフォアグラ料理は、以前にウィーンの某レストランで出逢ったフォアグラ料理以来、二度目です。

こういったデザートのように甘味を押し出したフォアグラ料理は、特に女性には好まれる味でしょう。いくら食べても重く感じさせない仕上がりに、お皿の上に描かれたアートといってもいいようなアーティスティックな造形と、洗練されたセンスの盛り付け方も含めて、全てのグルマン女性に捧げたい! と思える一皿でした。

「龍力」の純米吟醸「美酔香泉(生)」。
日本酒(「龍力」の純米吟醸「美酔香泉(生)」)。
尚、この料理に合わせたのは「ワイン」ではなく、実は「日本酒(「龍力」の純米吟醸「美酔香泉(生)」)」。この「フォアグラ」+「日本酒」という組み合わせが、意外に相性の良さを魅せつけてくれました。普段はあまり考えたことはなかったのですが、フォアグラと日本酒の相性に関して、今後はもっと追求していきたいですね。

次ページでは、魚メイン料理を御紹介します
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