選りすぐりの日本酒に囲まれて
料理は22時まではコース主体、それ以降の時間帯は単品オーダー可能となりますが、初めて訪問される方なれば絶対にコースで全ての料理世界を存分に堪能されることを推奨します。お酒の知識がない方でも、シェフや奥様が料理にピッタリの醸造酒をピックアップしてくださるので、心配無用。最高の料理と最高の醸造酒によるマリアージュを頼むことができるでしょう。・突き出し二種
突き出し二種 |
・料理に合わせた日本酒その1
真穂人(神亀酒造)写真左、こわっぱ(山岡酒造)写真右。 |
・冬瓜と蝦夷雲丹とキャビアのジュレ仕立て
冬瓜と蝦夷雲丹とキャビアのジュレ仕立て |
ふくよかな旨口タイプの「真穂人(神亀酒造)」とも相性バッチリで、一皿から素晴らしいスターターとなりました。ちなみに器はロイヤルコペンハーゲンです。
・淡路島の鯖 サマートリュフを添えて
淡路島の鯖 サマートリュフを添えて |
和の料理のようでイタリアンのようでもある、不思議な一皿で、締め鯖の旨味・塩味、セルバチコの青い香り、無花果の控え目な甘味が、口の中で夏の冥加ともいうべき爽やかな味わいを醸し出していきます。白ワインでも合う気がしましたが、シェフの奥様お奨めの辛口タイプの日本酒「こわっぱ(山岡酒造)」が、締め鯖の旨味を一層引き立てくれました。やはり、この料理は日本酒で大正解。
・滋賀産稚鮎の唐揚げ(カダイフ巻)
滋賀産稚鮎の唐揚げ(カダイフ巻) |
・料理に合わせた日本酒その2
片野桜(山野酒造)写真右、高砂(富士高砂酒造)写真左。 |
・セロリのジェラートとそのスープ
今回のコースの中でもっとも心に響いた傑作料理がコレ。塗りの椀に映える薄緑色のジェラートと、その周りに浮かべられた白濁色のスープ。セロリの色を巧みに使った鮮やかな一皿です。セロリ独特の青臭さはほとんどなく、セロリの持つ力強さと馥郁たるミネラル風味が強く味覚を支配していく味わいで、まさに究極のセロリ料理とさえいえる逸品。
また、ジェラートにはフルール・ド・セル(塩)が降られており、これがさらに味に深みと拡がりを与えています。これに合わせた「片野桜(山野酒造)」は円やかな旨味とキレの良さが素晴らしく、料理とも最高のマリアージュを生み出し、溜息すら出てしまうような美しい味わいに。
・北海道産サメガレイの蒸し焼き 赤ピーマンのソース
北海道産サメガレイの蒸し焼き 赤ピーマンのソース |
尚、この赤ピーマンのソースを始め、「kamoshiya Kusumoto」の魅力は野菜の質の高さと活かし方にもあるのです。例えば、この一皿に添えられた野菜だけでも、高知産のオクラ、徳島産のつるむらさき、千葉産の姫人参、奈良産の菜の花、岐阜産の金針菜、賀茂茄子と、こだわりの野菜がズラリと並び、まさに野菜が主役といってもいい一皿になっています。
次ページでは、六白黒豚のメイン料理とデザート料理を御紹介します