今年も新宿バルト9で第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(以下、映画祭)が開催されます。二丁目にも近いシネコンで世界的に話題となっている作品がプレミア上映されるわけなので、過去最高の8,000人超を動員した昨年同様、たくさんの人たちでにぎわうことが予想されています。チケットがすでに発売されておりますので、ぜひ、上映作品をチェックしてお早めにお買い求めくださいね。
なお、映画祭は7月16日から20日まで青山スパイラルホールでも開催され、バルト9で上映された作品はすべてそちらでもご覧いただけます。詳しくは公式サイトでご確認ください!
第18回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭公式サイト
http://tokyo-lgff.org/2009/index.html
バルト9で上映されるゲイ映画
ここからは、今年のオススメゲイ映画をご紹介しましょう。
東京の映画祭で上映される作品って、ヨーロッパやアメリカのゲイ映画祭に匹敵するクオリティ。『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』や『アウトレイジ』など、ベルリンなどの国際映画祭で上映されて世界的に話題になってるゲイ映画が観れるなんて、スゴイことです。
それだけの規模の映画祭を数人のコアスタッフ(ボランティア)で運営しているというから、本当に頭が下がります。
イングリッシュマン・イン・ニューヨーク
ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で上映され、特別テディ賞も受賞し、世界のゲイが注目した話題作『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』。この作品が新宿で観れるなんて! オープニングにふさわしい作品です。
『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』は、スティングの同名曲のモデルであり、20世紀の下町オスカー・ワイルドと呼ばれ、カミングアウトしたゲイの先駆者であり、欧米のゲイシーンに大きな影響を及ぼした伝説の人物、クエンティン・クリスプの伝記映画です。1970年代以降のニューヨークを舞台に、クエンティン・クリスプの品格あふれる人生を描いた話題作。主演は名優ジョン・ハートです。
<ストーリー>
クエンティン・クリスプは、出演したテレビ番組が大当たりして有名人となるが、ゲイであることをオープンにしている彼への風当たりは強く、ついには悪魔呼ばわりまでされてしまう。そんな時、友人のアドバイスでニューヨークを訪れるが、そこは彼にとってまさに新天地! 彼のユニークな言動やライフスタイルはニューヨークで人気の的になる。そんなある日、流行の兆しを見せていた「新しい病気」についての彼の発言が、物議の的に…。真意を解さない人々の彼への風当たりは激しくなっていくが、そんな時、才能にあふれる若い芸術家と知り合うが…。
パトリックは1.5歳
のどかなスウェーデンの住宅街を舞台に、ゲイカップルが養子を育てていくというデリケートな題材を扱った『パトリックは1.5歳』は、海外の映画祭でも評判になっている作品で、そんな作品が早くも東京に登場!という感じだそうです。
スウェーデンは今年から同性婚が認められましたが、結婚はできても養子を取ることは難しいんだな、とか、そんな寛容な国でもホモフォビアがあるんだな、とか、様々なことを観てとることができると思います。
間違ってゲイカップルの養子になった不良少年パトリックは、果たしてゲイの「両親」とうまくやっていけるのでしょうか? きっと「親子」間の葛藤を経て、最後にホロリとさせるような作品じゃないかと予想します。
<ストーリー>
一軒家を購入し郊外の住宅地に引っ越してきたゴランとスヴェン。そんな二人の願いは、養子を迎え、家族仲良く暮らすこと。しかし、ゲイカップルへの偏見は根強く、彼らに紹介される養子は皆無でした。そんなある日、彼らにも1歳半の赤ちゃんがやってくるとの突然の連絡が。待ちに待った二人の前に現れたのは、ホモフォビックで犯罪歴がある15歳の不良少年、パトリックだった。「1歳半」というのは役所の単純なミスだったのだ。パトリックの登場は、落胆した二人に多大なストレスをもたらし、やがて二人の関係にも影響を与え始める…。