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"Let’s talk"アレルギー [Communication2](2ページ目)

日本人妻をもつカナダ人男性は「妻が時々むくれてしまうが、その理由が分からない」とよく言います。コミュニケーション文化の違いでこんな悩みが生じるのですが、解決しようとして、さらに事態が悪化することも!?

執筆者:シャウウェッカー 光代

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“Let's talk”と言われると……


夫の「話し合おう」に妻はますますウンザリ?
妻が不機嫌な理由が分からなくて、困った夫は、必ずこう切り出します。“Let's talk!”
彼にとっては、これが唯一の解決法だからです。

しかし、不満を抱えて疲れている妻にとっては、夫にそんなことを言われたら、英語で説明しなければならなくなり(しかも、複雑な感情を)、そのこと自体がまたストレスになってしまいます。それが引き金で、余計イライラしたり、夫に反発を感じたりしてしまうのです。

先の精神科の先生は、こういった傾向を「“Let's talk”アレルギー症候群」と呼んでいらっしゃいました。夫から「(問題解決のために)話し合おう! Let's talk」と言われるたびに、妻はムカつき、イラッとし、夫はますます妻が分からなくなってしまうのです。

双方から歩み寄る努力を


解決策は、夫婦がお互いの文化を理解しようとする気持ちをもって、双方から歩み寄るように努力するしかありません。

この「双方から」というのが、とても大事なのです。たとえば、妻だけがなるべく言葉で表現するように努力をしても、それだけでは不充分。夫が「よしよし、彼女もだいぶ話すようになってきた」と思って満足してしまっては、たぶん本当の解決にはならず、またいつか根本的な問題が表面化してきます。

国際結婚の場合、自国に住む夫が日本人の妻に、早くその国の文化やライフスタイルに適応することを求めるケースが多く見受けられます。しかし、こういうカップルこそ、夫婦の間では、夫側が妻の文化や国民性をより理解してあげていないと、自国を離れている妻のみに負担がかかることになります。

同じことが、日本に住む「夫が日本人、妻が外国人」のカップルにも言えるでしょう。妻がまだ日本語が上手ではなかったり、日本の生活習慣になかなか馴染めないという状況下のカップルでは、妻が何か思いつめているようなのだが悩みをうち明けてくれない、とボヤく声がよく聞かれます。

少なくとも、妻が黙ってしまった時は、何も言うことがないのではなくて、言いたいことが山ほどあるのだということを、夫たちは分かってあげてほしいと思います。


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