国際結婚/国際結婚アーカイブ

ベトナムを描き続け居場所見つけた国際結婚(2ページ目)

国際結婚してベトナムに住み、ベトナムのスケッチを描き続けているグエン明子さん。外国での生活で、絵によって自分らしさを取り戻し、ご家族との関係も変わってきたそうです。素晴らしい作品の数々もご紹介します。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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グエン明子さんへのQ&A その1


Q:
ベトナムのスケッチを始めたきっかけは何ですか?

A:
きっかけは偶然見つけた、高原泉さんのホームページです。
さらっと描いた感じのかわいい絵を見て、自分も絵が描きたい!と思いました。

泉さんが影響を受けたという「永沢まこと」さん『絵を描きたいあなたへ』という本を読み、偶然にもベトナム・スケッチツアーがあったので、半日だけですが、現地参加させてもらいました。

ベトナムを対象として描いたのは、他に描くものがなかったから、なのですが……。

前向きに「よし、ベトナムを描こう!」と思ったのは、永沢まことさんから1枚のハガキをいただいてからです。
「ベトナムにいること、周囲に絵を描く人や、興味を持つ人がいないことは、実はすべてプラスに転化する要因だと考えること。独自の環境や境遇が独自の作品を生み出します。あなたが描き始め、描き続けていくキッカケになったら嬉しい」とありました。

「そうか、ベトナムを描いていけばいいんだ。これはプラス要因なんだ」と思いました。

Q:
絵を描くことで生活に何か変化がありましたか?
『おひるね』
『おひるね』
スケッチを始めた初期の頃の作品。息子さんのかわいらしい寝姿です
※クリックすると拡大します

A:
ありました。

家事に育児に仕事で、時間も体力もいっぱいいっぱいだったので、本気で絵を描きたければ仕事は辞めるしかないと、まず仕事を辞めました。経済的には苦しくなりましたが、一番の稼ぎ手が旦那に変わったことは、夫婦関係にもよかったと思います。
(私は現地採用でしたが、旦那よりもずっといいお給料をもらっていましたし、これだけ稼いでいるのに家事も育児も全部やっているのは私よ!という気持ちがあったのも確かです。)

それから、絵を描くことで自分らしさを取り戻してきました。
実は、国際結婚は思ったよりもいろんな問題があり、ベトナムという国があまり好きではなくなっていたのですが、絵の対象として描き始め、スケッチをし続けることによって、ベトナムへの見方が変わってきたように思います。

人を描くときも、コミュニケーションができないといい表情はしてくれないし、それまで家と職場の往復では出会わなかった人たちとの交流が出てきました。

私が絵を描きたいという気持ちがとても強いことに、次第に旦那も理解を示してくれるようになり、お互いを尊重できるようになってきたと思います。

機械がまったくだめな私が、絵を発表したい一心で、自分のパソコンを買いホームページを作った時も、「すごいね!」と驚いていました。
(ベトナムではブログやHPを個人が持つことはまだ稀なんです。)

絵だけで救われたわけではないですが、絵を描くことで「自分が自分らしくなれた」し、そのおかげで、家族が仲良くなれた部分も大きいと思います。


→ 子育てにもお忙しいのに、どうやって時間を? 答えは次ページへ


 

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