日常的な風景を見直す
日本のどこにでもある里山の風景 |
私にはただの山(特に景勝地でもない)にしか見えないその辺の山を「きれいですね~」と溜息をついて眺めていたり、普通の家(特に古いとか日本的であるというわけでもない)が大好きだったり、そんな家が集まっている住宅地(それほど趣があるわけでもない)に心時めいていたり……。
よく旅行ガイドブックに出てくるような叙情的な風景……では、全然ないんですよ。みなさんの家のまわりにもあるような、ほんとに普通のご近所の光景だったり、いわゆる“里山”の風景なのです。
私たちが海外旅行をする時、車窓のどんな景色にも感動してしまう、あれと同じなのでしょうね。
でも、いつも隣でそんなことを言われていたので、それが日本のありふれた風景を見直すきっかけになりました。彼が言葉にしなかったら、そこにあるのが当たり前過ぎて、その良さに気づかなかったでしょう。
外から見ると気づくこと
国際結婚カップルの間では、おそらくこのような気づきや再発見が、ごく日常的に双方で行われているのではないかと思います。日本について、パートナーから思わぬ評価を得ることもありますし、海外に住んでいるからこそ気づくこともあります。
私が聞いた“日本の良いところ”についてのさまざまな声を、思いつくままランダムに挙げてみますと……
・日本には相手を「察する」という文化がある
・状況によって周囲に合わせられる協調性がある
・パートナーやその家族へ気配りができる
・約束を守る
・毎日料理をつくっていると日本食がいかに健康的であるかに気づく
・日本人は時間厳守。パートナーは30分遅れが当たり前
・お金の使い方が計画的。貯蓄ができる
・基本的に夫をたてる
・妻に対して優しい
・礼儀や上下関係を重んじる
・日本では建設工事や修理がスケジュール通りに進む(早い)
・クレームへの対応が丁寧。こちらでは、対応に出た人は絶対に謝らない
・仕事や役割への責任感が強い
日本の評価としては一見当たり前のことのようですが、これらは外との対比によって、より際立って見えてくるもの。日本では“普通”のことが、外国の人から見たらすごい特性であることも、ままあります。
外国文化や外国人パートナーと日々接している人は、こういった日本の良さを“見直し”たり“再発見”したり、“実感”として改めて感じたりする機会には、恵まれていると言えるでしょう。
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