国際結婚/国際結婚アーカイブ

映画に見る国際結婚と相似形の問題とは…… ビッグ・ファットな結婚コメディ(3ページ目)

全米で8カ月以上もロングラン上映された映画『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』。ギリシャ系と非ギリシャ系という異なる文化で育った2人の結婚には、いったいどんな障害が……!?

執筆者:シャウウェッカー 光代

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●心に残るシーンの数々……

さて、ご覧になってみて、いかがでしたか?
どんな点に共感でき、どんな場面に感動したでしょうか?

私の心に残ったシーンは結構たくさんあるのですが、いちばん印象的だったのは、イアンがギリシャ正教会で洗礼を受けるところです。ああ、ここまでしてくれるんだ、と……。
宗教は時に結婚を決定的に阻むほど大きな問題になりますが、イアンは「君と結婚するためなら何でもしよう」と、すんなり洗礼を受けることをOKします。トゥーラへの愛の大きさを感じますよね。夫といちばん話し合ったのも、このシーンについてでした。

トゥーラの父親が出てくる場面は、どれも印象に残っています。あのお父さん、よかったですよね~。自分の親がこうだったら"頑固親父"としか思わないかもしれませんが、なんか味があって、すごくよかった。やはりどこか"日本のお父さん"的なところがあるからでしょうか。

そんな父親を見るトゥーラの目線がまたいい。ホロリとさせられます。決して自分の幸せだけを考えているのではないのです。家族の幸せも望んでいるし、できれば祝福されて結婚したいと思っている……。ほんとに私たちと等身大のヒロインなんですよね。

その娘の気持ちに気づくのが、どこか日本の"肝っ玉母さん"的な雰囲気をもつお母さん
お父さんの性格を知り抜いて、トゥーラが学校へ行きたいというシーンや、叔母さんとの連携で旅行会社で働くことをお父さんから言わせてしまうシーンでは、うまく操縦している様子が絶妙でしたね。あれは何十年も連れ添った夫婦でないと出せない味でしょう。「ああいう母親でありたい」とも思わせてくれるような、存在感のあるお母さんでした。

イアンの両親が初めてポルトカロス家を訪れたときのドキドキ・ハラハラも見ものでした。あの緊張感、そして少しずつ打ち解けてきた時のあのホッとする感じ、みなさんもご経験があるのでは?

ただ、映画だからうまくいったけど、これが現実だったら、イアンのご両親は結婚に賛成してくれただろうかと、ちょっと考えてしまいました。「一人息子を取られてしまったようで……」と思う親もいるのではないでしょうかねえ。

家族のこと以外で、痛快だったシーンは、トゥーラがだんだん変身していくところ。これ、女性だったら、きっとワクワクしながら見ていたのでは? まあ前がひど過ぎたこともあるけど、どんどんきれいになっていくトゥーラには、心から応援したくなるし、また元気づけられるものも感じました。自信に満ちて、表情もぜんぜん変わって、なんだかこっちまでうれしくなってくるような……。そういうところがイアンを惹きつけたのでしょうね。

●「あなたは自分が望むどんな人とも結婚していいのよ」

ずっと反対していたお父さんが、結婚式でしてくれたスピーチは圧巻でした。
「リンゴ(=ミラーの語源)とオレンジ(=ポルトカロスの語源)。2つは違うけど、結局は同じ果物だ」

そういえば、イアンも以前トゥーラに同じようなことを言っているのです。
「僕たちは違う文化の背景をもっているけど、違う生き物じゃない。同じ人間だよ」と。
案外、お父さんとイアンは通じ合うものがあったりして……。

そして私が大好きなのは、最後のシーン。
6年後、トゥーラがギリシャ系スクールに通う娘に言うのです。
「あなたは自分が望むどんな人とも結婚していいのよ」

たぶん、国際結婚という道を選んだみなさんも私も、自分の子供に「あなたは○○人と結婚しなければいけない」とは言わないでしょう。おそらくトゥーラと同じことを言うはず。自分が育った文化、両親の世代の考え方は尊重するとしても、時代も世の中も変わってきているのですから。

トゥーラはそんな時代の転換点になったのです。
国際結婚というだけで反対され、つらい思いをしてきた方・している方も、あなた自身が転換点になればいいのでは? そのポジション自体は苦しいものではあるけれど、次の世代はずっとラクに、そしてずっと大らかに生きていけるはず。そんな姿を見ていたら、上の世代の気持ちも和んでくるかもしれません。
転換点が増えてくれば、国際結婚もごく普通のこととして受け入れられる、そんな時代が必ずやってくるでしょう。

何の反対もなく結婚を認めてもらった私たちは、改めて両家の家族に感謝しました。ただでさえ国際結婚には様々なストレスがかかるもの。家族の反対がなかっただけでも、大きなストレスが1つ減ったことになりますから。
その感謝の気持ちは、双方の家族への接し方や次の世代にそれぞれの文化を伝えていくことで、還元することになるのだと思います。
そんなことにまで思いをはせてしまったラストシーンでした。

さて、みなさんはどんな感想を持たれましたか?

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