CBCのウェブサイトには、母親の日記の一部が紹介されています。非常に微妙なものなので、直訳調で書くと以下のようになります。『』内が日記の部分です。
「捜査官たちは、今週、警察に引き渡された母親の日記を調べている。そこには、フジイがDominicを育てることの大変さを書いている、と伝えられている。
日記の書き始めの2000年9月は、Dominicを育てる喜びを書いていた。
9月10日の日付けにはこう読める。『私がDomにママって言ってというと、彼は“マーマ!”と言った』
9月17日には『Dominicはいつも本当にかわいい。今日もたくさん遊んだ。Domもここで私と一緒にいることを喜んでいる』と書いている。
しかし、トーンが、フラストレーションと、子供を持つ前にフジイが送っていたような気苦労のない生活への切望に変わった。
『私はこのつまらない暮らしが嫌だ。私は以前のような生活をすることを決心した』と彼女は書いている。」
この間に、彼女の心が何故どのように変わっていったのか、この短い抜粋から類推するのは非常に難しいことです。が、おそらく、1人で2人の子を育てることになり外出もままならなくなったストレスと、日本にいる両親に重大な秘密を持っているという重圧が、彼女の心に何らかの異変をもたらしたのではないでしょうか。
カナダの新聞には、可愛いさかりのDominicちゃんと顔を寄せ合う彼女の写真と、生まれたばかりのGeminiちゃんを抱いている写真が、掲載されていました。それは幸せな母の顔でしかありませんでした。
9月の頃の日記を読むと、そのDominicちゃんの姿が思い出され、いっそう悲しみを誘います。
「母親の弁護士は、金曜日に彼女と1時間ほど話した。彼は母親の精神状態についてはコメントしなかったが、裁判所が精神医学上の判断を求めることを期待していることを付け加えた。」