国際結婚/国際結婚アーカイブ

他人事ではない。日本人母の心に忍び寄った魔の時… カルガリーで起こったある事件(4ページ目)

カナダのカルガリーで、23歳の日本人女性がカナダ人男性との間の1歳3カ月の長男と3カ月の長女をアパートに置き去りにして死なせるという事件が起きました。いったい彼女に何が起こったのか…

執筆者:シャウウェッカー 光代

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さらに、新聞には、次のような記述がありました。

「子供たちの父親である Peter Brown は、カルガリー警察に別の未解決の事件で逮捕された。」

罪状は書かれていませんでしたが、後で調べたところによると、窃盗罪など複数の容疑で指名手配されていたそうです。事実上の夫であった男性がこのような行為をしていたとは、いったい彼女の生活はどのようなものだったのでしょう?
記事によれば、2人は彼女が来てまもなく知り合ったことになります。そして2年もたたないうちに妊娠。そのまま、結婚するでもなく、日本の両親に相談するでもなく、長男を産んでいます。その時は、既にビザがきれていた計算になるのです。

彼女がたどった道は、実は多くの日本人女性が陥りやすい落とし穴でもあります。日本を離れた解放感、外国人のボーイフレンドあるいは国際結婚への漠然とした憧れ、異性のルームメイトは珍しくなく簡単に一緒に暮らせる環境、ビザという期限付きで短期間に燃え上がりやすい恋、避妊をしない関係…。そして中絶して帰国する人もいます。遊んでいる子もいれば、ただ無知で無防備ゆえにそうなってしまったケースもあります。男性側にとっては、日本人は実に遊びやすく都合のいい相手だという声もよく聞かれます。

そうならないためには、相手を見極め、その人間性を見抜く目が必要なのですが、それを要求するには、みんなまだ若過ぎる…。フジイ容疑者も、カナダに来た時は19歳でした。
ただ、若いと言っても善悪の判断はできるはず。それに、もう自分の行動に自分で責任を取らなければならない年齢には、充分達しています。もっと先を考えて行動すべきでしょう。

今後については、こう書かれています。

「カルガリーの移民局によると、母親は不法滞在だが、裁判が終わるまでは国外退去させられることはないそうだ。
母親は月曜日に法廷に立つことになっている。」


別の新聞の記事によると、法廷に立つのは7月9日ということです。

このニュースは、バンクーバーの日系社会にも大きな衝撃を与えました。バンクーバーはカルガリーより国際結婚カップルが多いので、ここでも起こり得た事件だったからです。
そういったことを未然に防ぐために、悩みを聞いたり相談を受けることができるシステムづくりを含めたメンタルへルス・プログラムを充実させ、お互いに助け合えるネットワークをつくっていくことを、「グレーターバンクーバー 移住者の会」や、その傘下の「国際結婚の会」は目標にしています。

この後のニュースはまだ入ってきませんが、経過を見守っていきたいと思っています。

<関連リンク> cbc.ca(Canadian Broadcasting Cooperation)
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