国際結婚/国際結婚アーカイブ

他人事ではない。日本人母の心に忍び寄った魔の時… カルガリーで起こったある事件(2ページ目)

カナダのカルガリーで、23歳の日本人女性がカナダ人男性との間の1歳3カ月の長男と3カ月の長女をアパートに置き去りにして死なせるという事件が起きました。いったい彼女に何が起こったのか…

執筆者:シャウウェッカー 光代

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後にいろいろ調べてみたところ、CBC(Canadian Broadcasting Cooperation)のウェブサイトが最も詳しく経緯を伝えており、そこから浮かび上がった事件の概要は、次のようなことでした。

「長男の名前はDominic Ryu Brown、長女の名前はGemini Brown。長男は、発見される数日前に亡くなっており、現在、母親は死体遺棄の容疑で取り調べが行なわれている。長女の捜索は依然続けられているが、ボウ川の水位が高く、見通しが悪いため、難行している。

子供たちの父親は、カルガリーに住むPeter Brown(22歳)で、父親によると、2人の4年間の関係は4カ月前に終わっていたということだ。その後、母親は引っ越して、父親に居場所を知らせないようにしており、子供たちにも会わせないようにしていた。

母親は、4年前、英語を勉強するために学生ビザでカナダに来た。ビザは少なくとも2回延長されたていたが、1999年の8月できれていた。」


つまり、この母親は不法滞在だったのです。
そして、2人の関係は正式な夫婦ではありませんでした。正式に結婚していたら、おそらく配偶者としてカナダの移民ビザを真っ先に申請していたはずです。

さらに、この母親の両親は、娘のこのような生活をまったく知らなかったことが判明しました。

「日本にいる両親は、自分たちの娘に2人も子供がいたことを、まったく知らなかった。この事件のことを警察から聞かされた時、初めて子供(両親にとっては孫にあたる)の存在を知ったそうだ。

父親は、事前に2人の孫の存在と娘のトラブルを知っていれば、なんとか力になってあげられたものを、と言っていた。23歳の娘は、両親の反応を恐れて言えなかったようだが、両親は喜んで家族に迎えたのに、と話している。

現在、両親はカルガリーに来て、娘に付き添っている。」


様々な事実を一度に知らされたご両親の胸中を思うと、言葉を失います。どんな思いでカルガリーに向かわれたのか…。
別に聞いた情報によると、ご両親は毎月2000カナダドルの仕送りをしていたそうです。物価が安いカナダでは、派手に遊ばなければ、月々2000カナダドルで充分にやっていけます。特にカルガリーのあるアルバータ州は、収税がなく、住居費などもバンクーバーより安いので、いくら子供にお金がかかるといっても、この金額ならおそらく親子で暮らしていけたでしょう。
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