秋を彩る蔦紅葉には、なぜ紅葉する蔦としない蔦があるの?
色づきはじめた蔦紅葉。「ツタ」という名は、「伝う」からきています。 |
でも、多くの蔦は緑色のまま。同じ蔦なのに、どうして紅葉するものとしないものがあるのでしょう……実は、種類が違うのです。
紅葉しない常緑の蔦はアイビーやヘデラなどの「冬蔦」
ヨーロッパで蔦に覆われた家が多いのは、魔除けになり裕福な家の象徴だから
【豆知識】
ヨーロッパでは、常緑の冬蔦を家の壁にはわせると雷や魔よけになるといわれていました。また、冬蔦は裕福な家の象徴で、これが急に枯れ落ちたりすると災難が起こるという迷信もあります。そのため、ヨーロッパには大きな石造りに蔦をはわせた家が多いのです。
紅葉する蔦はブドウ科の「夏蔦」
都会で見つけた“まっかな秋” |
よく見ると、ブドウに似た実がついています。 |
夏蔦は、その艶やかな紅葉ぶりが好まれて歌に詠まれることも多く、「紅葉蔦(もみじづた)」「蔦紅葉(つたもみじ)」「錦蔦(にしきづた)」などの別名があります。童謡『まっかな秋』※ の「まっかだな まっかだな つたの葉っぱがまっかだな♪」 というフレーズも、夏蔦のことをさしています。
※『まっかな秋』 作詞:薩摩忠/作曲:小林秀雄
常緑のほうが冬蔦で、紅葉する「紅葉蔦」は夏蔦……少々ややこしいネーミングですが、覚えておくと秋の楽しみが増えそうです。