暮らしの歳時記/夏の行事・楽しみ方(6~8月)

蚊帳の外には敵だらけ……夏のお悩み解消法!

夜な夜な忍び寄る蚊や害虫、快適なはずのエアコンで夏バテ……。そんなお悩みにはあのアイテム! 知らぬ間にニューバージョンが登場し、ロハス・省エネ・夏バテ対策・お姫様願望から世界平和まで貢献中です。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

「蚊帳(かや)」は夏の役立ちグッズだと、ご存知ですか?

寝苦しくてダメ……耳元でブ~ンも何とかして!

寝苦しくてダメ……耳元でブ~ンも何とかして!

あーなんだか眠れない。朝起きても体がだるい。このまま快眠できないと夏バテしてしまいそう……。眠れない理由は何でしょう。蚊の飛ぶ音?熱帯夜?エアコンのタイマーが切れたから?

そんな方には、安眠グッズの蚊帳(かや)がお役に立つかもしれません。現代生活で蚊帳を見かけることはほとんどなくなりましたし、昭和世代でも蚊帳を体験した人は少ないでしょう。ところが、近年再びスポットを浴びているのをご存知ですか?しかも、ニューバージョンで!

そんなのまったく知らない……つまりあなたは蚊帳の外!?
【蚊帳の外】大事な場の外におかれていて内情を知らされないこと。仲間外れの意。

蚊帳(かや)復活の立役者に取材してみました

蚊帳の中で寝たことはありますか?昔懐かしい蚊帳ですが、時代にマッチしたタイプが続々と登場し話題を呼んでいます
すでに前時代のものと思われていた蚊帳を復活させた立役者は、静岡県磐田市に店を構える「菊屋」の三島治さんです。下水の整備による蚊の減少、網戸やエアコンの普及、殺虫剤の使用などの影響で姿を消しつつあった蚊帳を、インターネットの力で見事に復活させた張本人にお話を伺ったところ、実に興味深い実情がわかりました。

 

敵は蚊だけではありません

蚊帳というからには当然蚊に刺されないための対策グッズなのですが、敵は蚊だけではなかったのです。

■敵その1:エアコン
エアコンをつけて眠る家庭が増えました。防犯上、窓を開けておけないですし、あまりに暑いと眠れませんから仕方がないこと……しかし、エアコンや扇風機の風が直接あたると体が疲れ、夏バテの一因にもなります。

⇒蚊帳を通すことで風が直接当たらず、風もまろやかになるそうです。

■敵その2:殺虫剤
殺虫剤にもいろいろな種類がありますが、健康の事を考えると殺虫剤を使わずに眠りたい。特に子供を持つ親御さんにはそんな思いが強いですし、肌の弱い方にとっては切実な問題です。

⇒蚊帳を使えば殺虫剤いらず。不安が解消されます。

菊屋六面体ムカデ対策蚊帳・購入者分布図(平成18年4月30日現在)県別では、兵庫県、神奈川県、広島県、愛知県、大阪府。市別では横浜市、神戸市、岡山市、京都市、広島市の購入者が多いそうです(資料提供:蚊帳の博物館)
■敵その3:ムカデ
ムカデには毒性があり、噛まれると痛み・腫れ・炎症・発熱・アレルギーなどを起こします。床や天井からも出没するため、その恐怖で眠れない方がたくさんいます。

⇒お客様からムカデ被害の話を聞いた三島さんは、底面をつけてファスナーで出入りする六面体の蚊帳を開発します。すると、全国各地から続々と注文が入り、ムカデ被害に悩む方々の救世主となりました。

■敵その4:マラリア
アフリカを中心にマラリアが風土病に指定されている国がおよそ100カ国あり、毎年100万人以上の5歳未満児が命を落としているそうです。その原因となるマラリア原虫から身を守るために蚊帳が渇望されています。

⇒ユネスコ、ユニセフ、WHO(世界保健機関)などが蚊帳の普及に力を入れています。三島さんは売り上げの一部をアフリカに贈る活動や、カメルーンに蚊帳そのものを贈る運動をしています。

エアコンや殺虫剤など、蚊帳を追いやったものの所為で蚊帳が必要になるとは皮肉な話ですね。また、ムカデやマラリアは当事者にとって死活問題。ムカデに悩むご実家や、海外赴任先へ送る方も多いそうです。

でも、通常の蚊帳は和室に吊るすものなので洋室には不可能でしょ? ……いいえ、洋室でも二段ベッドでもアウトドアでも使える蚊帳があるのです >>>

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