風薫る5月、森林浴効果を高めるフィトンチッドとは

森林

「風薫る五月」や「薫風(くんぷう)」は時候の挨拶にも使われる言葉です

「風薫る五月」「薫風(くんぷう)」という言葉がありますが、初夏の風は、爽やかな香りを含んでいるような気がしませんか? 実際、初夏の木々は新緑の時期を迎えて最も成長が盛んな時期に入るため、その葉っぱからフィトンチッドと呼ばれる芳香を含んだ物質を、いつもよりたくさん出していると言われています。

フィトンチッドとは、ロシア語の「フィトン=植物」「チッド=やっつける」という意味で、土に根ざしている植物が、虫や細菌をやっつけるために自ら作り出し発散している揮発性物質です。森林浴効果をもたらす香りも、フィトンチッドなんだそう(「フィトンチッドについて」農林水産省より))。

木々の間を吹き抜けてきた風が、ごくわずかながらこのフィトンチッドを含んでいるため、この香りが「風薫る」という感覚に結びついているのかもしれません。街の中ではかすかに感じる程度の香りですが、深い森の中に入ると思わす深呼吸したくなるのは、このフィトンチッドが満ち溢れているからです。

 

暮らしの知恵にもフィトンチッドが活用されてきました

ヒノキ風呂

ヒノキのお風呂にはフィトンチッドが活かされています

実は、昔から、このフィトンチッドが私達の暮らしに活用されてきました。例えば、ヒノキやヒバの防虫効果を利用して虫に強い家を建てたり、お風呂を作ったりしますよね。また、防腐剤がわりに葉っぱでくるんだ柏餅や柿の葉寿司を作ったり、抗菌作用を利用してお刺身にわさびや大葉を添えたりするなど、昔ながらの生活の知恵には、フィトンチッドの恩恵がいっぱいあるのです。

 

森林浴により、樹木が分泌するフィトンチッドでリフレッシュ効果

森林

森林浴で癒された経験はありませんか?

また、私達は森林浴にも馴染んできました。森林浴とは、森林の中で清々しい空気にひたること(浴びること)。樹木が分泌するフィトンチッドにはリフレッシュ効果があることが知られています。さらに、森の中ではマイナスイオンも多く、緑色も心を癒します。加えて、その周りに比べて昼は涼しく夜は暖かくなるという特徴があり、風も弱く湿度も高いため、人にとっても大変心地良い空間になっているのです。

 

身近な緑で森林浴を

森林浴というと、うっそうと繁った山の中で……というイメージが強いと思いますが、公園や並木道、ガーデニングの緑を楽しむだけでも、心地良い気分になれるもの。普段は人工的な環境に囲まれることが多いので、ちょっとお散歩に出かけたり、帰り道を緑の多いルートに変えたりするだけでも効果があります。

森林浴をするには、新緑の季節が最も良いといわれています。晴れた日を利用して、薫風を実感してみてはいかがでしょうか。


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