(閉店しました)
寒さに閉じ込められていた冬の最中、ポルトガル伝来の南蛮菓子「鶏卵素麺」(けいらんそうめん)をつまみながら熱々のコーヒーを飲んでいたら、どこへ行っても「卵黄と砂糖」の黄色いお菓子ばかりが目に付いた、ポルトガルの旅を思い出しました。

(目次)
P1 「松屋菓子舗」と鶏卵素麺
P2 世界に広がるポルトガルの味

筑前藩主と「松屋菓子舗」

藤巴
黒田家の定紋藤巴を
デザインした包装紙。
1673年創業、福岡・博多の「松屋菓子舗」の初代松屋利右衛門氏が長崎で中国の点心師、鄭(てい)氏に伝授を受けたという鶏卵素麺は、元々はポルトガルから伝わった南蛮菓子です。

筑前藩主、黒田光之公はこの菓子が気に入り、松屋菓子舗に黒田家の定紋藤巴の使用を許したといいます。砂糖と卵を贅沢に使った、キラキラと輝くエキゾチシズムにあふれるお菓子がどれほど衝撃的だったか、伝わってくるような話です。

「鶏卵素麺」(けいらんそうめん)とは

鶏卵素麺
「鶏卵素麺」
その名と見た目から、間違って
湯にくぐらせた人もいるとか。
鶏卵素麺は、沸騰させた糖蜜の中に卵黄を糸のように流し込み、すぐに引き上げ、余分な蜜が落ちた後に切り揃えたものです。

口に入れると金糸の束がほろほろと崩れ、たっぷりの蜜が舌にしっとりと馴染みます。

鶏卵素麺
食べるときは、
一口大に切り、
箸か一文字を添えて。
ほんの一口でも満足するほど濃厚な甘さですが、その甘さの中にも卵黄の丸みのある柔らかな風味が生きていて、食べ終えてしばらくするとまた食べたくなる。不思議な魅力を持っています。

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