そば/そば関連情報

大分・正周庵訪問記(2ページ目)

大分に、江戸前のそばが手繰れる、幻の店。自家製粉をベースにそば好きをうならせる正周庵。

執筆者:井上 明


うれしいじゃありませんか。江戸前蕎麦切りって



でも、白状すると。不覚にも、迷った。
新しい店なので、レンタカーのカーナビの電話番号検索にひっかからなかった。持参したコンパスアロー式の GPS装置は、そもそも目的地の座標を微妙に間違えて登録していたため、この建物の捕捉発見に至らなかった。

この店を目指す人は、遭難しないよう、次の緯度経度をメモして赴かれるとよい(笑)。
北緯:33度11分42.5秒
東経:131度30分34.0秒
※WGS84


▲翩翻とひるがえる江戸蕎麦切りの文字が躍る暖簾

地元の人向けの説明としては、 JR九州向之原(むかいのはる)駅西方400m、大分川本流右岸の挟間大橋と同尻橋の間の河原っぺり、昔の川の駅。と説明すれば完璧かな?
やぁ、やっと辿りついたぞ。では、いざ、中へ!


▲中は、意外なほど開放的。居心地のいい空間

僧堂でも髣髴とさせるような、外観の少し禁欲的な印象(悪くはないのだが)をあっさりとうっちゃって、中はご覧の通り、明るい。規則的に配置された縦長の窓から、適度にディフューズされた柔らかな光が室内を満たし、高い天井とあいまって開放的な空間を演出している。


▲うわ!植木等さんが映画の中でかけまくっていたような電話器

実はこちらのお店は、こういった商品を売っていた会社に勤めていたご主人が、築地そばアカデミーを修了されてオープンに至った。この建物の雰囲気と、この懐かしい電話器はよくマッチする。そばを手繰っていると、スピーカーからの似而非アラート音なんかではなく、電話器にしっかりと内蔵されたベルを、電話線の向こうから送られてきた電流を受けて、どこからともなく、チリリリリリリンと、懐かしいリンガを聞かせてくれたらいいのにと、、白昼夢。

さて、注文したおそばは、そろそろかな?

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