さらさらしたボルドー
ボルドーワインは何でも濃くて苦くて渋いと思っているなら、それは間違いである。ボルドー地方にある地域のひとつ「メドック」の、このワインを飲んでみるといい。さらさらするすると口から喉へ流れ落ちて、渋味や酸味が引っかかることがない。それでいて果物的な風味はしっかりあって、程よいほろ苦さやスモーキー感も、ボルドーらしくていい。
ラベルはメドック辺りの風車小屋のスケッチ画 |
ブルゴーニュやボルドーのワインを買う消費者はふつう、スクリューキャップよりコルク栓を好む。本物のコルクは空気を通したり異臭を与えたりしてワインの品質を損なう確率が高いから、合成樹脂栓という手を使っているのだろう。スクリューキャップより気密性は劣るが、充分に機能する。
このワインはグラン・ヴァン・ド・ジロンドという生産者が造っており、ブドウ品種は半分がカベルネ・ソーヴィニョン、35%がメルロ、15%がカベルネ・フランという割合。この地方で典型的なブドウの配合だ。収量はヘクタール当り45ヘクトリットルと、ボルドーにしては抑え目。温度管理して10~15日間の発酵ののち、20%を何回か使用したオーク樽に入れて4~5か月間だけ樽熟成させる。
味わいとしてはミディアムボディ。アルコール度数も樽香も控え目に仕上げており、がっちり濃厚なボルドーではないがとてもしなやかで果実感が際立つ風味になっている。肉料理や濃いソースによく合いそうだ。
さて、次にカベルネ・ソーヴィニョンだけで造ったワインをおすすめしよう。