「ヌーヴォー」ブーム終わる?
日本に輸入されたボジョレ・ヌーヴォー(ボジョレ地区の新酒)は2004~2006年に1200万本前後、つまり日本国民10人当たりフルボトル約1本分。金額・数量ともにボジョレ新酒の半分程を占め、アメリカやドイツを大きく引き離して最大消費国となった。秋に収穫したブドウのワインが冬に解禁となる趣向は、季節感好き・珍しい物好きの日本人を魅了したのだろう。だが2007年の売上縮小傾向に、流通は2008年の少なめの仕入れで臨んだ。まだ在庫を抱えている所も多く、翌年にかけて値引き販売となるだろう。
一般に航空便で運ぶワインのコストは1本当たり1,000円以上と、通常ワインの船便と比べて高額だ。また、短期間にまとまった数量のワインを確保するためには、生産者サイドから毎年安定した価格・数量の買取が求められる。また日本での消費は格上ワインが比較的多い。こうした事情からボジョレ・ヌーヴォーの価格には、人気商品ながら品質に対する割高感は否めない。ワインを普段飲まない購買層は買い控えが増え、飲み慣れた消費者はさらに「量より質」を目指したのではないか。