「マデラ」じゃないですよ、「マデイラ」ですよ

ボトルに直接書かれた銘柄は長い貯蔵期間を経ても判読可能。バーベイト社の10年熟成ヴェルデーリョ(ブドウ品種)は香り高くまろやかで余韻も長い。10年以上熟成したワインをブレンドしたものはオールド・リザーヴまたはスペシャル・リザーヴと呼ばれる
「マデラソース」といえば、料理に詳しくない人でも高級料理にそんな言葉を使ってたかな、と思うだろう。そのソースを味わったことがあれば、すべすべと滑らかで甘く深い琥珀色をした液体を思い出すかもしれない。年代が上のほうになると、まだ「マデラ酒」と呼んでいる人が多いだろうか?

じつはマデイラは、カラメルのような風味と魅惑的な深い香りをもつ、ポルトガル領マデイラ島の甘口ワインである。リスボンから南西へ1,000キロほど沖合いにあるリゾート地の島で、その名の書き方だが、「マデラ」ではちょっと昔風で物足りないが「マディラ」と書くとちょっと違う。「マデイラ」と、一文字ずつはっきりと読めば、英語の発音に近くなる。

「マデイラ」は発酵中にアルコールを加え、発酵を止めて糖分を残す。醸造の途中でアルコール分を加える「酒精強化ワイン」の一種だ。加熱熟成させるのが特徴で、これは航海に出る際に船に積むワインが変質しないようアルコールを加えておいたのが、赤道を通過する際に船上の温度で美味しく熟成したことに由来するといわれる。