ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

この女(ひと)に、ロワールワインが似合う

ロワールは『フランスの庭園』と呼ばれ、多彩なワインとバラの産地として有名。バラの似合う女優の水野真紀さんが祝福したロワールワインソムリエコンクールの優勝者は、この女性だった!

執筆者:橋本 伸彦

まずは男前揃いのセミナーから

手元に並ぶロワールワインのグラスに「我が地方が誇るワインだ」と誓うように胸元に右手を当てるローランドー氏
ロワールワイン委員会のパトリス・ローランドー氏
ロワールワイン委員会と日本ソムリエ協会そしてフランス食品振興会の共催で、今回で7回目となる『2007年 ロワールワイン ソムリエコンクール』が開かれ、ロワールワインセミナーとソムリエコンクールの公開決勝が、共に東京・グランドプリンスホテル高輪で7月4日に行なわれた。その様子をお伝えしよう。

まずはセミナーである。ロワールワイン委員会からは最高顧問のパトリス・ローランドー氏、そして東京・銀座のフランス料理店『ロオジエ』からは、シェフソムリエの中本聡文氏と、ロワールのトゥール地域出身で同店総料理長のブルーノ・メナール氏の3人の話を聴きながらロワールワインをテイスティングした。8種類のワインは、ロワール川を河口から遡る順序で試飲するという趣向である。

中本氏が手振りを交えて解説する様子
『ロオジエ』シェフソムリエの中本聡文氏
このセミナーで中本氏が進行を担当し、ワインについて味わいや品種などの側面からコメントしつつ、ローランドー氏にはロワールのワイン造りについて訊き、そしてメナール氏にはそれぞれのワインを合わせる料理について解説してもらう形式であった。中本氏の軽妙なトークに、ローランドーとメナールの両氏から地元の料理や自らの出身地の話が弾んだ。

セミナーに供されたワインの中で、印象的だったものを挙げよう。ロゼのAOCカベルネ・ダンジュー『フイユ』2006年(アリアンス・ロワール)は、パリッとしたスパイシーさと、ほの甘く熟した風味。どちらも併せ持つチャーミングなワインである。アペリティフや少し甘味のある料理に、非常に適しているのではないだろうか。

メナール氏がじっと正面を見つめる顔写真
『ロオジエ』総料理長のブルーノ・メナール氏
全般的には、やはり軽快で酸味の効いた爽やかなスタイルが多いという印象であった。コクのある白ではAOCルイィの2005年(ジャン=ミシェル・ソルブ)が辛口ながらとろりとしたもの。花やかんきつ系の果実の風味があり、かなりしっかりと味わい深い。

「このルイィには脂の乗ったトロやブリが合う。ブリは私も大好きな魚です」というメナール氏は爽やかなAOCアンジュー2004年の白『キュヴェ・エフュージョン』(パトリック・ボードワン)に淡水魚を合わせる事を薦め「和食、例えば焼き鳥にも合うのではないか」とのこと。一方AOCブルグイユの赤には、例えば和牛や黒豚そして名古屋コーチンなどの素材が合うと話し、日本の食材にかなり精通しているようであった。

コンクール決勝のようす>>
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