メルローのスペシャリストとして
上級ワインは若い時にはいったん固く閉じこもり、その後いいヴィンテージであればゴージャスな風味を花開かせる。また難しいヴィンテージであっても栽培と醸造に手を尽くすことで、整った熟成バランスのワインを造ることができる。それが分かるテイスティングである。「メルローは早飲みで長期熟成しない」などとよく言われるが、それは一般的な傾向に過ぎない。ひとまず現在、ジェネリック・ワインは全般にメルローの持ち味を生かした味わいが充分感じられ、実売価格はなかなかリーズナブルだろう。所有シャトーからはトップクラスのワインが造られている。そして今後楽しみなのは、エドワール・ムエックス氏の活躍である。彼はその経営手腕を発揮して、ムエックス社のワインにさらなるプレステージを与えるか? ワインの味と値段はどうなっていくのか? 誰もが彼を注視しているのである。
取材協力各社リンク
■ 日本リカー: ムエックス社のワインを輸入。(JPムエックスのページ)■ Jean-Pierre Moueix: ムエックス社(フランス語のみ)
※ 記事中の試飲は2007年5月に行なわれた