ワイン/特別な日の高級ワイン

ニュートンのワインに、この料理を。(2ページ目)

もとモデルにして医師。アメリカンドリームを体現するようなスー・ホア・ニュートン氏。ワインは自然派のさきがけである。ミステリアスな味わいの理由をご本人に訊いてみた。

執筆者:橋本 伸彦


シャルドネを濾過しないということ

アンフィルタード・シャルドネの澄んだ輝き。
アペリティフ(食前酒)に供されたのは『シャルドネ』2004年。淡く黄緑色を帯びて、爽やかで柔らかな飲み口の白ワイン。フレッシュなアロマに、充分な芳香をまとっている。会場の華やかな雰囲気と釣り合うばかりでなく、食事への期待も高まる上質なアペリティフである。そういえば、アペリティフと言えば泡ものなど、いつも同じという人はいないだろうか。気分によってこんなシャルドネを愉んだり、使い分けが出来ればぐっと幅が広がるはずである。

席に着くと、アペリティフより少し黄金色がかった『アンフィルタード・シャルドネ』2003年が注がれる。ニュートンのシャルドネは、暖かいナパ地区の中でも海に近く冷涼なカーネロスという地域のブドウを使っている。

今でこそ「アンフィルタード(無濾過)」が高級ワインと結びつけて考えられるようになったが、ニュートンはこの国で最も早い時期に、無濾過と表示したワインを造っている。ふくよかで、酸味や果実味といった味わいがしっかりありながら、全体としてなめらかで調和が取れている。一般的なカリフォルニアのイメージからは程遠い、洗練である。

ロブスターが様々な風味に彩られてシャルドネを引き立てる

このシャルドネに合わせたのは、ロブスターを茹でてバニラの香りを加えたもの。サヤエンドウやピーチ、ハチミツやレモンの皮、ローストしたアーモンドといった風味を盛り込んだ一皿である。ワインの香りの構成要素、これを食材になぞらえて料理を構築する手法である。あなたの自宅ではここまで賑やかに仕立てるには及ばない。エビやカニなどを使って、上記の素材をアクセントに一つか二つ加えるだけでも、ぐっとワインになじむ料理になることだろう。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます