シャルドネを濾過しないということ
アンフィルタード・シャルドネの澄んだ輝き。 |
席に着くと、アペリティフより少し黄金色がかった『アンフィルタード・シャルドネ』2003年が注がれる。ニュートンのシャルドネは、暖かいナパ地区の中でも海に近く冷涼なカーネロスという地域のブドウを使っている。
今でこそ「アンフィルタード(無濾過)」が高級ワインと結びつけて考えられるようになったが、ニュートンはこの国で最も早い時期に、無濾過と表示したワインを造っている。ふくよかで、酸味や果実味といった味わいがしっかりありながら、全体としてなめらかで調和が取れている。一般的なカリフォルニアのイメージからは程遠い、洗練である。
このシャルドネに合わせたのは、ロブスターを茹でてバニラの香りを加えたもの。サヤエンドウやピーチ、ハチミツやレモンの皮、ローストしたアーモンドといった風味を盛り込んだ一皿である。ワインの香りの構成要素、これを食材になぞらえて料理を構築する手法である。あなたの自宅ではここまで賑やかに仕立てるには及ばない。エビやカニなどを使って、上記の素材をアクセントに一つか二つ加えるだけでも、ぐっとワインになじむ料理になることだろう。