茶発生時の化石
雲南省で発見された2億5千年前の茶葉の化石
(写真提供:秦宇暉氏)
茶の植物としての起源は、一般的には、6500万年前から始まる新生代第三紀であるといわれています。茶が生誕した時代を特定する方法は、通常は類似した植物の化石などから類推することになるのだそうです。
新生代の茶葉や茶の実の化石は、中国でも日本でも見つかっています。
しかし、中国雲南省では、約2億5千万年前の茶葉(カメリアシネンシスの葉)の化石が発見されているのだそうです。
雲南省で発見された茶葉の化石は、中国科学院雲南植物研究所の専門家による鑑定の結果、そんなに古い時代のものであると、判明したのだそうです。
2億5千年前といえば、恐竜が出現した中生代が始まった時代で、植物は通常この時代としては、トクサ類、シダ植物、ソテツ類、イチョウ類がメインで、ツバキ科の植物があったという話はほとんど聞かず、もし、それが本当ならとても凄いことではないかと思います。
一方日本で発見された一番古い茶葉と茶の実の化石は、第三紀始新世後期、約4500万年~3500万年前のものであるといわれています。
この化石は、1970年(昭和45年)に山口県宇部炭田で発見されたものです。茶葉が6点、茶の実が2点採取されており、“Thea Ubensis Huzioka and Takahasi”として世界に発表されました。
葉の長さは6~12センチ、幅3.6~7センチで、現代のインドや中国中南部の大葉種に似たものであったそうです。
こんな古い時代の茶がはるか昔の時代に日本にあったのは驚きです。この化石だけでは、その後日本で人間の歴史の時代になってからも茶が自生していたかもしれないという確固たる証拠にはなりませんが、大陸と日本の陸続きであった時代に、日本の植生が中国南部と類似していたということはいえるのかもしれません。