自宅でのサロン『 Espacio 』にて
茶藝師の資格を取得
さて、宮原さんは、中国茶専門店に席をおきながら中国茶の勉強を続け、2003年に中級茶藝師、2005年には高級茶藝師の資格を取得しました。高級茶藝師の資格は、安徽省まで出かけて取得されました。6年もの中国滞在経験のある宮原さんは、中国語が出来るという非常に優位な立場にあるので、より深く現地の知識を吸収することが出来たようです。
「茶藝師というと、なんだかブームみたいですけれど、でも、やはり茶藝師の資格を取得するというプロセスで身に着けたことは、今の、そしてこれからの自分のやりたいことに役立つのではないかと思ってます。」と宮原さん。
宮原さんが茶を淹れてくれました
確かに茶藝師というと、最近とても日本の方に人気の資格です。もともとは中国の茶館でマネージャーをするための資格ですから、中国政府労働省から資格が付与されます。なので、直接資格を行使できない日本人が取得することに関しては、様々な見方や意見が有るのも事実です。
しかも資格を取得しただけで、満足してしまっている人が多いと聞くと、なんだかとても残念に思います。
しかし、宮原さんのように、自分の目指す方向性にそれが少しでも役に立つのなら、別に中国での資格を行使する必要はないのでしょう。むしろ、そこで身に着けた知識や技能は、これからお茶を知りたいという人にお茶を紹介する立場としては、不可欠なものだと思います。
ですから、茶藝師を取得した方には、宮原さんの様にもっともっと、中国茶に絡んだ様々なことに携わってもらいたいと思います。
様々な活動に取り組む
宮原さんが現在取り組んでいるのは、自宅でのサロンを中心に、企業、個人向けの出張講師、漢方やお茶、健康に関することをテーマにした講演、美と健康に関するさまざまなコンサルティング(商品開発、中国茶の販売、ショップ運営等)、漢方や茶に関するコーディネート、そしてネットや雑誌での茶や健康、美容に関するコラムの執筆など多岐に渡ります。大仏龍井をいただく
自宅でのサロンは、『Espacio』と名付けられた小さなサロン。「生活をもっと豊かにHAPPYに」というテーマで、中国茶、紅茶、テーブルコーディネーターなど様々なクラスを開催しています。
講習会とか講座という形だと、飽きてしまったり広がりが持てないことも多いので、参加される方々により楽しんでもらいたいという思いから、四季折々のお茶、テーブルの設えやお菓子や料理との組み合わせなどを中心に、生活の中で楽しむポイントを取り入れたサロンになっています。
そのため、近所の主婦の方を中心に、リピーターも多く、すっかり午後のお茶を楽しむ時間という感じになっているのだとか。
また、宮原さんは「もっと外に出てお茶の魅力を伝えたい」と、企業からの依頼で企業内福利厚生のための中国茶講座を開催したり、各地で開催されるイベントで茶藝を披露したりと、精力的に活動を行っています。実は、私が取材のアポを入れたときも、「国内出張」が入っているとか。地方のホテルでのイベントがあったのだそうです。
これらの活動は、女性向けの雑誌などにも、幾度も取り上げられています。
宮原さんの目指すその先
「美や健康」という切り口で、より身近にお茶を楽しんでもらい、生活の中に取り込んでもらいたいと活動を行う宮原さんが、今の活動に加え注力したいと思っているのは、「様々なアウトプットをするために、雑誌やウエブで記事を書くような活動」なのだそうです。今までもウエブなどにコラムなどを書いた経験はあるのだそうですが(REVENIRビューティーコラム)、「そのときの活動がとても楽しかったのと、やはりもっともっとお茶を通した普段の生活や健康などを普及していけたらいいなと思っています。」と、とても意欲的。
こんな風にわかりやすく、そして生活に溶け込ませようと中国茶の普及の活動をされている宮原さんを、是非今後とも応援したいと思います。
宮原 昌子さん プロフィール 大学卒業後総合商社に勤務、1996年~2002年まで家族と中華人民共和国上海市に在住。上海中医学大学にて推拿師(中国式マッサージ)の免許を取得。その後薬膳、漢方、中国茶を学ぶ。 帰国後、中国茶専門店にて通 訳・バイヤーの仕事を経て、Espacioサロンを開始。2005年には高級茶藝師、評茶員を取得。さらにTALK認定テーブルコーディネーター、薬日本堂認定漢方アドバイザー、紅茶コーディネーターの資格を持つ。 現在は、企業とのコラボイベント、企業研修、茶のコーディネート、コンサルティング等お茶にかかわるあらゆる仕事に挑戦中。 Website:cha-masakomiyahara.com/ |