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青茶といっても、なかなかピント来ませんが、日本で一番有名な烏龍茶などが、この青茶に属するお茶といえば、断然身近なお茶と思えてきますね。緑茶が酸化発酵をすぐに止めてしまうのに対して、青茶は、いわゆる半発酵茶といわれるお茶を意味します。
青茶の詳しい内容については、おいおいお話しを進めることとしますが、そもそも何故青茶は「青」茶といわれているのでしょうか?
私が中国茶に嵌り始めて、一番最初に興味が沸いたのは、何故青茶は「青(BLUE)」茶なんだろう?ということでした。中国茶には6つの色分けがあるということは既にお話ししましたが、この色分けは通常、茶葉の色を指しているといわれています。でも、「本当に烏龍茶の茶葉は青いのだろうか?」などと首をひねることしきりでした。
まず、製茶された烏龍茶の色を思い起こすと混乱してしまいますので、ここでは、製茶途中の茶葉の色を思い起こしてみてください。といっても、お茶の製造工程を知らない方は、なかなか思い起こすのは難しいのですが、木に生えている茶葉は当然緑色ですね。これを発酵させないで製茶するのが緑茶。半発酵させるのが青茶です。
台湾のお茶に詳しい平野久美子さんの本(「中国茶・アジアの誘惑」文藝春秋刊)には、「緑の茶葉がだんだんに銀色を帯びた青色に変化する」と書かれていますので、「製茶の過程で半発酵にすると緑色の茶葉が「青く」なるんだ!」などと単純に考えてしまいます。では、半発酵の茶葉は、本当に「青(BLUE)」色になってしまうのでしょうか?
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つまり、「青茶」とは、「深い色の緑色の茶葉をしたお茶」という意味として使われている言葉なのです。ですから、平野さんが本で書かれた銀色を帯びた青色に変化するというのも、緑鮮やかな色だった茶葉が、空気に晒されてだんだんと深い色の茶葉に変化してくるという意味だと考えれば、「ああ、なるほどな!」となるわけです。これで「青」の謎が解けました。
次回は、「半発酵」の意味について考えてみましょう!