「桜野園」熊本県水俣市の茶園から

桜野園 松本和也さん。
在来種を使用して作られる「さくら紅茶」のほかに、緑茶「ひいじいちゃんが植えたむかし茶」も野趣あふれる味わいで人気です。
農薬や化学肥料を使用しないで栽培、在来種を取り入れながらオリジナルのお茶をつくっている桜野園の紅茶をご紹介します。

お茶は多くの場合、挿し木によって栽培することで、均一のお茶がつくられています。一方で、“在来種”というのは「ひとつひとつの種が違う遺伝子情報をもつ、個性的な品種の集まりのこと」をいい、桜野園ではお茶を種から育て、野性味あふれた茶を栽培しています。

種から育てるお茶(在来種)は、芽が出る時期や生育の早さも異なります。いわば自由気ままに育つお茶は、個性的で病気に強く、味や香りも複雑になるそうです。こういった野性的なお茶をまとまった製品とするのは簡単ではなく、収穫時期に差が出てくるし、製造方法にも影響してくるのではないかと考えられます。

しかし、桜野園の松本さんによると、「在来種や他の品種も含め、毎年一定の芽の大きさで採るようにしているため、極端な品質のばらつきは出ません。ただ、虫害や霜害などにあうと、また収量や品質にも影響してきます。」とのこと。桜野園の「さくら紅茶」、そして「ひいじいちゃんが植えたむかし茶(緑茶)」は種から育てる在来種を用いたお茶です。

在来種とやぶきた種からつくられる「さくら紅茶」

適度な渋みが出る二番茶でつくられる紅茶。60g 472円。
さくら紅茶は、6月ころの二番茶のやぶきた種と在来種の茶葉を主に、ふじみどり、さやまかりがブレンドされています。名前から誤解を招きやすいのですが、さくらの香りつけや桜の花や葉が入っているわけではありません。純粋な国産紅茶です。国産紅茶の特長でもある渋みの少なさを持ちながら、野生的なウッディな香りがあるお茶で、2002年から製造を始めたそうです。

なぜ二番茶のお茶を用いるのかといえば、「一番茶は旨味も多くやわらかい葉なので、煎茶をつくり、二番茶は一番茶に比べ渋みが強くなり、葉も堅くなるので、紅茶をつくのに適しているのではないかと考えてつくっています。」とのこと。

茶葉を摘み、乾燥までの工程を一度行った後、半年以上熟成させた後、さらに乾燥させ、ふるいと選別をしてから完成させています。出来たばかりの紅茶は烏龍茶を想像させるような風味となるため、後熟により少しずつ変化して紅茶らしい味や香りなどが出来上がります。桜野園では半年以上熟成させてから出荷しているそうです。

桜野園では、日本が世界に誇る紅茶用の品種である「べにふうき」を2008年に植え、風味の違った新たなる紅茶づくりにも励まれているそうです。

桜野園「さくら紅茶」が買えるオンラインショップ
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