216 The Strand (ストランド)
トワイニング社の始まりの地
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イギリス国内でもあまり売られていない珍しいトワイニング紅茶、ハーブティーなどでいっぱいの小さな店。 |
銀行などのオフィスビルが立ち並ぶビルとビルの谷間、埋もれるようにも見える小さな建物に興味がそそられるに違いありません。イギリスの金融の中心街、シティの西側の216 The Strandにあるこの建物は、白い壁の上の部分に黄金のライオン、その脇を固める2人の中国商人が掲げられています。ここが300年以上の歴史があって、世界各国で親しまれているトワイニング社の始まりの地だとどれくらいの人が知っているのでしょうか。
創業者トーマス・トワイニングとティービジネス
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トーマス・トワイニングの肖像画は有名な画家ホーガースにより描かれました。ホーガースはゴールデン・ライオンで茶を買っていたのですが、支払いが遅れ気味であり、トーマス・トワイニングの肖像画はその支払いとして描かれたもののようです。 |
1706年、 東インド会社と取引していた商人のもとでティービジネスを学んだトーマス・トワイニング(Thomas Twining)はデバリューコート(Devereux Court)に「トムのコーヒーハウス(Tom's Coffee House)」をオープンさせました。すでにロンドンにはコーヒーハウスが2000軒以上ありました。それでも成功を収められたのは他のコーヒーハウスとは少し離れた場所にあり、弁護士などの顧客を獲得したこと、そしてここだけの魅力として茶も売られたということが挙げられます。飲み物としてだけでなく茶葉を購入できる店であったことです。茶がこの先有望な商売となることを見込んだトーマスは、1717年、トムのコーヒーハウスの隣に茶やコーヒーを売る店、「ゴールデン・ライオン」を開店させました。
トワイニング社のシンボルマーク
ゴールデン・ライオンの由来
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トーマスが使用したゴールデン・ライオン。 |
現在、ロンドン ストランド通りにあるトワイニング ショップには入り口の上に横たわる金色のライオン像とその両脇に中国商人像が飾られています。トワイニング社のシンボルとなっているライオンですが、トーマス・トワイニングは体を起こして座る冠をかぶった黄金のライオン(右の画像)を「ゴールデン・ライオン」の看板に選びました。当時は住所を表す番地のようなものが存在しなかったために、目指す目的地を見つけるには、看板や適当な道しるべに頼らなければなりませんでした。トーマスは百獣の王であるライオンを金塗りで装って店の看板にしたのです。
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このショップは、喫茶ではなく茶葉の量り売りをメインに扱った専門店としては、世界初であるといわれています。(トワイニング社のサイトより)
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より自然な姿で横たわって座る現在のライオン(右の写真)は、トーマス・トワイニングの孫であるリチャード・トワイニングによって取り付けられました。ライオンの横に配置された二人の中国商人の像は、当時すべてのお茶が中国から輸入されていたことから、その当時のトワイニングの商売を表したものです。
■協力・画像提供:
片岡物産株式会社■関連リンク:
トワイニング