紅茶/ティールーム・カフェ

はちみつ色の村のティールーム/イギリス

イギリスの田舎町として多くの観光客に人気があるコッツウォルズ地方。そのなかのチッピング カムデン村にあるバジャース ホール ティールームをご紹介します。

桑原 珠玉

執筆者:桑原 珠玉

紅茶ガイド

田舎の村と村をつなぐローカルバス。相互に車一台ずつがやっと通れる細い道。本格的な観光シーズンを迎える前のコッツウォルズ地方にはローカルバスに乗る観光客らしき人の姿はほとんどありません。停留所に待つ人も少なくバスはかなりのスピードで田園風景の中を走り抜けます。
チッピング カムデンの風景が見渡せる丘の上から。


コッツウォルズストーンの美しい佇まい
チッピング カムデン


村の中心となる通り。アンティークショップや工芸店も並んでいます。
ハチミツ色のコッツウォルドストーンの家々がところどころ黒ずんで歴史と赴きを感じられるチッピング・カムデン村。19世紀のアーツ&クラフト運動でたくさんの工芸家が移り住んだこの村にはアンティークショップや工芸店が静かにやってくる人を迎えてくれます。

村の中心となるハイ・ストリートの中心には、1627年に建設されたマーケットホールが今も残り、その向かい側、16世紀後半に建てられたBadgers Hall(バジャース ホール)はチッピング・カムデンの人々に愛されるティールームとして、また村を訪れる旅行者にも多く利用されています。
バジャース ホール。村の散策後はここでティータイム。



村の人たちに愛されるティールーム
Badgers Hall(バジャース ホール)


ポールさんの焼いたスコーンやケーキ。通りから中をのぞくとこれらがちょうど見えるのでお茶をしたくなります。
大人ひとりが通れるほどの入り口の戸を開けると大きな楕円テーブルにシェフのポールさんが作る伝統的でシンプルなケーキや、ひとつひとつ形が微妙に異なるスコーンが並べられています。

高さが異なる天井、暖炉の火、クラシカルなテーブルと椅子。女性同士、親子、夫婦がお茶を囲んで暖かい時間を過ごしています。お店の女性とも談笑しているところから、これらの人たちは地元のひとらしい。テーブルに飾られたスイセンの花が春を待つイギリスに一足早い春の訪れを知らせているよう。

田舎のティールームではクリームティーが用意されているところが多く、バジャースホールティールームでクリームティーを注文するとスコーンはかなり大きい。ストロベリージャムとクロテッドクリームをつけて、ひとつ食べればちょっとしたティータイムのお菓子としては十分すぎるほど。

シンプルながらこれぞイギリスといったクリームティーセット。2.75ポンド。
紅茶はハウスティーとトワイニング紅茶の中から選ぶことが出来ます。トワイニング紅茶にはダージリン、アッサム、ラプサン・スーチョン、セイロン、アールグレイ、レディ・グレイなど。ハウスティーはイギリスの紅茶らしいボディはしっかり、ミルクに良く合うコクのある紅茶。暖炉にともされた火は外の寒さでヒリヒリとしていた肌を落ち着かせてくれ、しばらくして届くポット入り紅茶ですっかり体の中まで温まってくることでしょう。紅茶が運ばれると、砂糖はどうするか尋ねられるのですが、ミルクは頼まなくても置いてくれます。ミルクジャッグに入ったミルクの量の多さは日本のティールームとは比較にならないほど。

シュークスピアの街として知られるストラトフォード・アポン・エイヴォンからでも簡単に日帰りでティールームと村の散策が可能。バジャース ホールティールームはローカルバスでチッピング カムデンのマーケットホール停留所を降りてすぐ。村の観光案内所で地図を購入して村散策した後のティールームでの紅茶は思い出に残る英国体験です。

Badgers Hall
カレンさんとポールさんがもてなしてくれるB&Bとしても人気です。
High Street
Chipping Campden
Glos.
GL55 6HB
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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