茶の木から摘み取られた茶葉。製造方法によって大きく3種類のお茶に分かれます。
紅茶(発酵茶)、緑茶(不発酵茶)、烏龍茶(半発酵茶)です。
摘まれた茶葉はすぐさま次の工程に入る段階で、すでにどのような種類のお茶になるかの分かれ道があります。蒸しに入れば日本の緑茶へ、日光のもとでの萎凋(いちょう)に入れば烏龍茶へ、室内での萎凋に入れば紅茶へ作られていきます。(綿密に言えば、茶葉を栽培しているときからどのお茶を生産するかはっきり決まっているのですが、技術的には摘み取った茶葉の製造方法でいずれのお茶も作ることができるのです。)

野菜茶業研究所 一般公開イベント
紅茶手作り体験


揉捻を体験する参加者の方たち。ざるの上でひたすら茶葉を揉む作業は思いのほか体力を使います。
日中は30度を越えるほどだった9月9日、静岡県金谷にある野菜茶業研究所の一般公開イベントとして「紅茶の手作り体験」がありました。紅茶作りのポイントを、自らの体験をもとにレポートします。

紅茶の製造は細部においては生産地、工場により異なりますが、紅茶を作るための必要な工程は、摘採、萎凋、揉捻、発酵、乾燥となります。手作りで紅茶を作る方法も野菜茶業研究所で教えていただきましたので、レポートとともに紅茶作りのポイントをご紹介します。

摘採
葉が2~3枚ほど付いたお茶の芽を手で摘み取ります。手作り体験の前日に摘み取られたのは、紅茶用に栽培されている「はつもみじ」と、「べにひかり」です。


萎凋(いちょう)
摘み取りが前日に行われたのは、風通しのよい網の上に薄く並べ、一晩置くためです。こうしているうちに茶葉がだんだんしおれていきます。この工程は紅茶特有の香りと色を出すために重要です。
萎凋により水分がかなり減るはずでしたが、摘み取った日の天候の具合で水分量は予定していたほどは減らなかったそうです。研究所の佐波氏のお話では、重量減30%くらいであるとのことでした。


揉捻
紅茶手作り参加者はこの揉捻を行いました。揉捻とは、葉を揉んで傷をつけ、細胞を破壊すること。
揉んでいるうちにきれいな黄緑の生葉は緑色を帯びて、ねばねばとした感触が手のひらに現れてきます。生の、青い、苦そうな香りがふんわりと立ち上がってきます。まだ紅茶というには程遠い。

「これくらいになるまで揉んでください」という見本がまわされてきました。それは茶葉が、細長い毛糸がよじられたように螺旋(らせん)を描きボリュームダウンした姿。

近くから来られた人たちは、こんなことはちょくちょくやっているといわんがばかり、茶葉をかき集め、力を加えて揉みこする、という繰り返しの作業を簡単そうに行っていました。しかし、緑茶には通じていても紅茶作りはなじみが薄い様子で、研究所のスタッフの方たちに主に発酵などについて質問している人を何人も見かけました。

さて私も上半身を傾けて茶葉に向かい約30分かけて一生懸命揉んでいくうちに、スタート時の茶葉が一回りもふたまわりも小さくなり、両手に収まりきらなかったのに片手で揉むことが出来るくらいにまとまってきました。

結局最後までしつこく茶葉を揉み続けてしまいましたが、もう少しかなと未練を残しつつ揉捻を終わらせ茶葉を提出。おいしくなれ、美味しなれと念じながら揉んでみたのですが、途中何度も疲れて力をいれて茶葉を押し出すようにしてしまったから出来にどう影響することでしょう。茶葉はやさしくもんであげたほうがいいそうです。