紅茶/紅茶の淹れ方・飲み方

19世紀カリスマ主婦が説く紅茶の入れ方

現代知られる「ゴールデンルール」という紅茶の入れ方は19世紀のカリスマ主婦、ビートン夫人の入れ方が実践されています。当時の入れ方、現代の入れ方などを比べて自分流を見つけるのもいいですね。

桑原 珠玉

執筆者:桑原 珠玉

紅茶ガイド

ビートン夫人のゴールデンルール

0紅茶を入れるための「ゴールデンルール」というものがあります。これは、おいしい紅茶を入れる手順について述べたものですね。

現在知られている「ゴールデンルール」はなんと19世紀からほとんど変わっていないのですよ。紅茶の国として知られるイギリスで、ヴィクトリア朝のカリスマ主婦、ビートン夫人が紅茶の入れ方について述べています。

その著書『The Book of Household Management』は1861年に初版が出版され、現代でも増刷や改訂されるなどして書店などで購入することができます。この本には現在呼ばれる「ゴールデンルール」の基本となるべき事柄が書かれているのでご紹介しましょう。

1.まず大切なのは水をしっかり沸騰させること。ビートン夫人は水に関しては特に強調していて、沸騰したお湯を使うことが茶葉を開かせ、おいしいお茶を浸出する上で重要だと説明しています。

2.使う茶葉の量については一人に付きティースプーン1杯とさらにポットにもう1杯加える。(このルールについてはビートン夫人が述べる以前からあったルールのようです。)

3.沸騰したお湯をティーポットに入れ、温める。2~3分そのままにして、ポットが心から温まったら、湯を捨てる。

4.ポットに必要量の茶葉を入れ、沸騰したお湯を入れ浸出。(浸出時間はビートン夫人の時代では茶葉によって5~10分だそうです。)

ビートン夫人より先にも後にも「おいしい紅茶の入れ方」や「一杯の完璧な紅茶の入れ方」がいろいろと紹介されているのですが、今日広く知られている「ゴールデンルール」はビートン夫人の入れ方が基本になっているといえるでしょう。

もちろん、紅茶を入れるのにルールに大きな違いがあるわけではありません。国や時代によって水の質の違いがあります。また、茶葉のサイズや質によって浸出時間も変えねばなりません。

しかし、紅茶を入れるためにおさえておかなければならないのが、「ゴールデンルール」なのです。
ビートン夫人の家政学の本にはレシピだけでなく家庭の管理法も書かれています
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