今年2008年5月から8月、取材先などで出合い、印象に残ったパンをご紹介します。

ル・ルソールの美しいパン

洋菓子店のショウケースと比べれば単調な色の並ぶパン屋さんで、真っ先に目を奪うな魅惑的なパンには造形美、あるいはかたちの面白さがあります。ル・ルソールの「パンブリエ」は美しいパン。きめ細かで重量感のある生地はベーグルにも似ているのだけれど、生クリームやバターが入り、日持ちもいい。船乗りが航海に持っていくパンなのだそうです。ためらいながらもナイフを入れて薄くカットして、チーズや季節のジャムを合わせれば至福のひとときが待っています。

フィグのパンもまた、この店のものは特別きれいな形をしているように思います。味のことをいえば、ル・ルソールのパンはどれをとっても秀逸です。

食感と味わいが珍しく、リピートして買ってしまうのは「いもパン」。サツマイモのデンプン質でムチっとしたポンデケージョのような食感ですが、ほんのり甘いおやつパンです。

パン ブリエ
パン オ フィグいもパン

ル・ルソール【駒場東大前】

as Leafのコーディネートを考えるのが楽しいパンとお値打ち料理パン

as Leafの「石窯ライ麦粒のパン」は食材とのコーディネートを考えるのがとても楽しいパンです。サンドイッチにしたり、トーストしたのをちぎってオリーブオイルにディップしたり、好きなおかずをのせてタルティーヌにしたり、そしてもちろん、料理に添えたりと、愉しみかたのバリエーションでは食パンに勝るかもしれません。このパン、もとはとても大きななまこ型をしているのを、スライスして販売しています。

トマト&チーズは一見シンプルですが、手間のかかっているパン。店内厨房でつくられるセミドライトマトがたっぷり、モツァレラチーズとともに包まれています。自家製セミドライトマトのいいところは、トマトの味が果実のように濃縮されて、味覚を愉しませてくれるところです。

石窯ライ麦粒のパンとオリーブオイル(Bread Journalより)
ハムとルッコラをのせてトマト&チーズ

as Leaf(アズリーフ)【田端】

ダンディゾンのシェフの想い出のパン

この夏、食通のかたに日々のパンの愉しみについてインタビューする活動を始め、勧めていただいた食べ方を試みる機会が増えたのですが、ダンディゾンの淺野正己さんの想い出の味「ユゼス」は、今まで食べたことのない味わいが強く印象に残ったパンでした。豚の脂肉の塩漬けをローストして、店独自のフガス生地に練り込んであり、丁寧な料理の仕事を感じます。軽やかな食感、香り、塩気がアルザスの白ワインやビールに合います。

ユゼスとアルザスの白ワイン、ゲヴェルツトラミネール

ダンディゾン【吉祥寺】(2003年の記事)