パン/パン業界情報、イベント

アメリカンベーキングセミナー2008(2ページ目)

CIA(アメリカ料理学院)のロバート・ジョリンさんを講師に迎えて開催されたアメリカンベーキングセミナー。レーズンやフィグを使い、スパイスとハーブでアクセントをつけたパンと菓子12種類をレポートします。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

レーズンと全粒粉を使ったコーンブレッド

Yeast Leavened Cornbread with High Moisture Raisins
ポーリッシュ種(小麦全粒粉、コーンミール、生イースト、レーズンスターター、水をミキシングして、12時間発酵)を使用、コーン(缶詰)30%、ハチミツ、卵、バターとサラダ油を少量使用した、もっちりした食感のコーンパンです。

ハイモイスチャーレーズンが粉対比28%。そのみずみずしさはレーズンが「ブドウ」であったことを思い出させてくれます。

スライスしてサンドイッチに、トーストに。ジューシーなレーズンの入った、ざっくりとした食感が楽しめます。


フィッグとレンズ豆のパン

Fig&Green Lentil Bread
このパンはインド料理からインスピレーションを得て作ったのだそうです。

インド料理に使われる素材、ひよこ豆の粉(粉対比24%)、レンズ豆(20分ほど茹でたもの。調理済みで26%)が入っています。レンズ豆の茹で汁は仕込み水として使います。刻んだミッションフィッグは40%。

豆が香ばしいハード系のパンです。カレーにも合いそう。

レーズンとセージのデュラムブレッド

Durum Bread with High Moisture Raisins and Fresh Sage

フレッシュな生のセージの葉を刻んで加えた、ひまわりの形のハード系レーズンパンです。ハイモイスチャーレーズンを使用。セージはフランス南西部でよく使われるハーブです。夏の日、みんなでテーブルを囲み、これをちぎって食べたら、きっと楽しいに違いありません。

成形は丸い抜き型の切れないほうで中心の円をかたどり、12等分した花びらをひねります。窯入れの前にセンターに筋を入れて、焼成後はそこにオリーブオイルを塗って艶を出します。

フィッグとローズマリーのシャバッタ

Fig,Olive Oil&Rosemary Bread

刻んだカリミルナ(白)フィッグとローズマリーの入ったシャバッタ。水分量は80%と非常に柔らかい生地です。レーズンスターターを使った発酵生地でつくります。

このパンだけ、手捏ねが披露されました。何故でしょうか。質問すると「それはスピリチュアルな理由です」とジョリンさん。 「パン屋さんではとかくミキサーのボタンを押せば生地が できてしまうものだから、手で捏ねることはなくなって いるけれど、時には原点に返り、生地の力がどのようについていくのか体感するためにも”touch the dough!”(生地に触って)」ということなのだそう。

このパンのコツはしっかり焼いておくこと。水分量が多い生地なので、そうしないとすぐに柔らかくなって食感が失われてしまうのです。

アメリカではこのパンをパニーニグリラーで焼いてつくったサンドイッチがとてもポピュラーなのだそうです。

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