いがらしろみさんに学ぶジャムづくり講師のいがらしろみさん 今回の講師は菓子研究家いがらしろみさん。 ろみさんのお店、洋菓子のようなジャム専門店、ロミ・ユニ コンフィチュールは一昨年にAll Aboutの記事でもご紹介しています。 セミナーは次の3部構成で進行しました。 「作る」・・・ジャムとスコーンのデモンストレーション 「知る」・・・フランスのお話、ろみさんの今までの道のり、ジャムへの想い 「食べる」・・・ジャムとパン、チーズ、ワインをあわせて愉しむ このページでは「作る」で実演されたジャム作りについて簡単にご紹介します。 セミナーで実演されたジャム作り目の前で短時間のうちに出来上がったのは3種類のジャム、アベイユ、ミミ、スーリール。ろみさんのつくるジャムには洋菓子のような名前がついています。お菓子を食べているときのような楽しい気分になれるように、素材や色、季節から思いついたものをネーミングするのだそうです。 その作業がまた楽しい、というろみさん。ちなみにこれらの名前は順に、みつばち、かわいい、ほほえみ、という意味です。
アベイユ ノンケミカルなレモンと蜂蜜のマーマレード。 果肉の薄皮はジャムを固める助けになるのでつけたまま。仕上がりはサラサラでも冷えるとゼリーのように「また一緒になりたい! と固まる」と、ろみさん。 レモンの皮はさわやかな香りがブルーベリージャムにも合います。お菓子で定番になっている組合せをあえてジャムですると、新鮮でありながら味の想像がつくので「食べてみたい」と思わせるものができるのです。 ミミ 数年前から人気の素材、リュバーブといちごのジャム。 煮あがりの目安は「いちごがふくらんで、しぼんだらいい頃」。リュバーブはとろみがつくのでジャム向きの素材です。アクは丁寧にすくいます。名前のとおり色合いがかわいい、甘酸っぱいジャムです。 スーリール 定番人気商品のフランボワーズとキルシュのジャム。 ほほえんでしまうようなロマンチックな味だからこの名前がつきました。 ろみさんのジャムはほとんどが材料の砂糖の量を果物対比80%で作られます。理由はフルーツの香りを損なわないように強火短時間で一気に仕上げるから。なるほど、3種のジャムはどれも沸騰して3~6分で出来上がりでした。 「フルーツの季節、品種、産地による味や香りの違いが興味深い」というろみさんがジャム専門店を始めたきっかけのひとつは、自家製と市販品の味の違いに疑問をもったこと。自分がお客さんとしていきたいお店を想像したそうです。余計なものを使わず、フルーツの持つ力(とろみがつくなど)を生かしたジャムは、だから人気なのですね。 さて、上記右下の写真はアルザスの白ワイン、ピノブランです。春に瓶詰めされたものでジャムのある食卓にもぴったりでした。 実演の後は、アルザスやバスクなどフランスの地方のお店や食べもののスライドを観て、それからろみさんの仕事のお話をうかがいました。 次のページは夢を実現する夢想家、ろみさんの仕事のお話 「いがらしろみさんがジャム専門店を開くまで」 です。 【関連記事】 クラブ ド サントノーレ 【第一回】志賀勝栄氏に学ぶ |
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。