パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ベーカリーワールドカップ日本代表の焼くパン トラン・ブルー(飛騨高山)(3ページ目)

来年パリで開催される製パン技術を競う世界大会、クープ・デュ・モンドに日本代表として出場する成瀬さんは、飛騨高山のトラン・ブルーオーナーシェフ。世界が注目する晴れ舞台に立つ彼のパンと店を取材しました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

微量のイーストで低温長時間発酵し、3種類の粉の持つ旨味を最大限に引き出したバゲット。
このようなパンは東京での修業以降、JPB(JAPAN PROFESSIONAL BAKERS)と出会い、そして同じ志をもった人との出会いを経て、形となって表れてきたそうです。 それはきわめてベーシックな、でも、だからこそ手のかかる本物のパン達です。

15年前の開店当時も今も、徐々に完成度が高まることはあっても、こうしたパンの方向性は変わっていないそうです。

地元客の嗜好はいかがですか、とお聞きすると、 「高山は米の街なんですよね。でも食事パンを高齢の方も買ってくださいます。 その穀物の深い味わいの美味しさをわかっていらっしゃる方が多いからでしょう。」とのことでした。

今後の夢や計画

トラン・ブルーとは、フランス語でブルートレインの意味。 長い道のりをコツコツとひたすら走り続けてゆく、という願いを込めてつけたのだそうです。
「パン作りには終着駅はない」と成瀬さんは言います。 店としてもさまざまな部分で考えなくてはならないところがあり、満足することはないそうで、例えばできるだけフレッシュなうちに食べてほしいデニッシュやクロワッサンを食べる場所がないというのもそのひとつ。 そのうちにカフェを作るという素敵な計画をお聞きしました。

でも、成瀬さんの当面の目標は2005年のクープ・デュ・モンドにおいて、全力を発揮することだそうです。出品する作品のことは秘密でしたが、 大会の後、来年の5月以降には、それらは店に並ぶ予定です。

自分が生まれ育った高山の町で、楽しそうに働くあかるいスタッフ達に囲まれてパンを作る成瀬さんを見ていると、こんな職人さんが日本代表として世界大会に出場することが、なんて素敵で誇らしいことなのだろうと思えてきました。
来年に迫ったCoupe du Monde de la Boulangerie(クープ・デュ・モンド・デ・ラ・ブーランジェリー)、ぜひ、応援しましょう!

Tバゲット(Tはトラン・ブルーのT)
■トラン・ブルー

岐阜県高山市西之一色町1丁目73-5

TEL 0577-33-3989

営業時間 9時~19時(売りきれ次第クローズ)

水・第3日曜 定休
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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