2002年9月、下井草の駅前にリスドォル・ミツ(西荻窪)直営のイルフォルノ・ミツがオープンしました。 リスドォル・ミツといえば、無添加パンの第一人者、廣瀬満雄さんの店。無添加パンを作る職人になる志を持って全国から集まってきた多くの研修生を抱える廣瀬さんは、 彼らの働く場を作るため、これまでもいくつかの直営のパン屋さん(次ページ参照)を作ってきました。 フランス製のオーブンの中で焼きあがるパーネポンペイ その中で、イルフォルノ・ミツはすこし特別です。 ここは昔、ご実家のお父様がパン屋をされていた場所だからです。 イルフォルノとはイタリア語でパン屋、パン焼き窯、炎を意味する言葉で、命名はオペラ歌手の友人の提案なのだそうです。 また、「過去に炎(フォルノ)の中、パン屋を守り通した男がいるということにちなんで」と廣瀬さんは言います。 40年前、木造だったこの店で火事が出かかった時、火傷をしながらも体を張って店を守った父の情熱。 店を出て長い年月を経て、ここでパン屋を再開するに至った廣瀬さんに、それは受け継がれていました。 しばらくパン屋ではなかった建物はそれによって新しく蘇ったのです。 フォカッチャ それでは、パンをご紹介しましょう。 定番商品はパーネポンペイ。小麦の香味の味わえる、ごくシンプルな塩味のパンです。 こうした食事パンには 自家製の酵母、デッセムを使用しています。 チーズの味のグリッシーニも、イタリアンメニューに添えたくなる、おつまみに最高なパンです。 菓子パンで人気なのは、レモンのきいたクリームチーズの入った、カプリアンシェル(上)。貝殻のかたちのうつくしいパンです。 それからブルーグロット(下)。これは大きなスポンジケーキのような形をしています。中は、パネトーネのような生地で、卵とバターと ドライフルーツ(特にオレンジがすばらしい香り)の入ったふんわりしたパン。 これらにはオーガニックの生イーストが使われているそうです。 |