左は
志賀シェフのフランスパンの特徴である麺用粉は入っているものの、ペルティエのものとは配合の違うバゲット。
ユーハイムのバゲットはもう少し重めの仕上がりで、クラストはバリッと香ばしく、さらなる噛み応えがある。
旨味の濃いバゲットは、焼きたてはもちろん、2~3cmにカットしてから冷凍したのを焼き戻しても、しっかりと風味を保ち続けているので、嬉しい。
ユーハイムのドイツパンのシェフ・ベッカー就任にあたって、志賀シェフのお話をお聞きしました。
「アルトファゴス、ペルティエでフランス風のパンを極めることに賭けていました。
ドイツパンにも触れてはいましたが、ユーハイムで担当することになって、スペシャリテとしてのドイツパンを改めて考え直してみました。
ライ麦の配合が多くて、黒くずっしりとしたパンは、今まで日本ではあまり親しまれていませんでしたが、本当はそれは日本人の好きな焼きおにぎりの食感だと思うのです。保湿性が高く、普通のパンと比べても、ごはんにより近いものがある。
その辺も主張してゆきたいですね。
オリジナルパンを考える時、自分の中でフランスとドイツのパンの境目は、まだくっきりはしていません。
スタッフとともに、ユーハイムのドイツパンの確固たる世界を築くのに2年はかかるかな。」
創造の可能性を試す領域が広がった感じ、なのだそうです。
わたしはこれらいくつかのパンを食べてみて、好きな方はもちろん、慣れない方にも本当のドイツパンとの出会いの良い機会となるのではないかと思いました。
酵母において、ペルティエではレーズン酵母、ユーハイムは麦酵母が主。また同じパンオルヴァンでも、ペルティエでは小麦の丸麦、ユーハイムではライ麦の丸麦で作る、といった具合にそれぞれの特徴をあらわにしながら、その境界は親しい国同士の国境のように引かれているのでした。
必要以上に手を加えないことをモットーに、天然の塩だけで漬けた肉など、本当のおいしさを引き出す製法で作られたローストポークや子羊モモ肉、ソーセージとポテトのマスタード和え、ザワークラウトなどが並びます。そして生ハムフルーツサラダ、レンズ豆とサフランと海老のマリネなど、製法から素材に至るまで自由にヨーロッパ全土を視野に入れた現在のドイツの食を反映し、体に良いものに主眼を置いたラインナップになっています。
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